ミス・ユニバース世界大会で準グランプリを受賞。モデルをはじめ、国連での活動など幅広く活躍している知花くららさん。社会人になって再び大学生活を送り、仕事や子育てと両立しながら学び直し(リスキリング)を経験しました。出産前に受けた国家試験や、育児と両立しながら勉強時間を確保した日々とは。

妊娠中は「安静に勉強を…」

── お仕事と並行して大学の建築学科を卒業し、昨年、二級建築士にも合格しました。この数年を振り返ってみていかがですか。

 

知花さん:正直、大変でした。2019年に大学に入学して、同じタイミングで長女の妊娠が判明して。卒業制作のときに2人目のつわりがあり、1度目の国家資格試験は臨月のときに受けました。去年、2度目の挑戦で合格して本当によかったです。

 

知花くららさん
抱っこ紐で娘と自宅近くの海辺の散歩をする知花さん。夕陽と海を背景に爽やかな笑顔!

── 臨月のときに受験されていたとは…!

 

知花さん:試験は6時間くらいあるんです。5教科を1日で受けます。途中で前駆陣痛のようなものを感じた気がして焦りました。

 

── 試験時間の長さに驚きました。

 

知花さん:問題は難しくて数も多いので、とにかく必死で。途中、「お手洗いに行きたい」と挙手をしたのですが、立ち上がった私の大きなお腹を試験官が二度見していました。

 

── 学業と、仕事、妊娠・出産、子育てを同時期に。ものすごいタスク量です。

 

知花さん:建築の分野は課題のボリュームも多いですし、子育てしながらの勉強の時間を確保するのが大変でした。妊娠期間は、安静にしてくださいと言われますよね。なので安静に勉強して過ごしていました(笑)。

 

── このタイミングで学びを再スタートさせた理由を教えてください。

 

知花さん:正直、妊娠後はお仕事も少しペースダウンするので、「やるなら今しかない!」と思って始めたんです。でも、実際にしてみると、つわりがあったときは大学の授業中に冷や汗をかきながらデッサンを取ることも。

 

知花くららさん
京都芸術大学の卒業式で沖縄の伝統的な着色技法である「紅型」の着物姿の知花さん。イエローとブルーのコントラストが素敵

何より子どもを産んだあとがさらに大変で、課題の論文を仕上げるのも授乳の合間にしていました。図書館で調べ物をする必要があるのですが、子育てをしながらだとその時間を捻出するのが難しくて。

 

2人目が生まれてからはさらに、学びを続けることの難しさを感じましたね。子育てと学業のバランスを図るために、とにかくできるときにできることをしていました。