母になって変わった災害への意識

── 現在は5歳の双子の娘さんがいます。母親になって、災害時の意識は変わりましたか?

 

狩野さん:変わりましたね。東日本大震災のときは、自分のことしか考えていませんでした。今は真っ先に「子どもは!?」と思いますし、「今この時間なら、保育園にいるな」などと、どこで何をしているかを考えます。

 

保育園では月に1度ほど避難訓練があり、その様子を話してくれます。「今日、地震があったんだよ」と言われて、「え?あった?」と聞くと「訓練だよ」という感じで。

 

── どんな訓練をしているのでしょう?

 

狩野さん:「地震が来たときは、頭を隠して机の下にもぐるんだよ」とか、「ものが落ちてこない外に出て、みんなで座って待つんだよ」とか、先生たちが本当に事細かに教えてくださっているのが、子どもたちの話でよくわかります。

 

いざ地震が来たときに子どものことが頭に浮かびますが、「きっと子どもたちもパニックにならずに、ちゃんと広い園庭の真ん中に避難しているはず」とイメージできるのは、ありがたいです。

 

── 保育園にいる時間などお子さんと離れているとき、そういうイメージができると少しは安心できますね。

 

狩野さん:家でも、いざというときの話をします。「今地震が来たら、この家のなかでどこに隠れるか」や家具を固定する道具を見せて、「これで倒れてこないようにしているんだよ」と説明します。

 

会話をしながら自分でも「こういう場合は、どうしたらいいか」を考えますし、夫と避難するときのことを話し合ったり、非常持ち出しの荷物を確認したりする機会になっています。

 

テレビ東京・狩野恵里アナウンサー
普段からの災害時の行動について家族で話すことも大事、と話す狩野さん