対面では言葉以外にもたくさんの情報を受け取る
毎日顔を合わせ「ちょっとした世間話ができる」という環境は、意外と重要です。会社でリアルに仲間と会うと、「ねえねえ、この前こんなことがあってさ」「昨日のドラマ見た?」など、他愛もないことを気軽に話せます。雑談は人間関係の構築にもひと役買っています。でもオンライン会議で個人的な雑談はしづらいですよね。
人は言葉以外からもたくさんの情報を得ています。微妙な表情の変化やニュアンス、声のトーン、喋り方、におい、体の大きさ、服装などからも情報を受け取っているのです。
言語そのものが相手に伝える情報はほんの7%で、それ以外の声の大きさやトーン、しゃべり方などの聴覚情報、表情やジェスチャーなどの視覚情報の影響が大きいという研究結果もあります。ノンバーバル(言葉以外のコミュニケーション)な情報が、大部分を占めているのです。心理カウンセリングも、オンラインよりもリアルで会って行うほうがクライアントさんへの影響が大きいという話も聞きます。
文字だけのコミュニケーションは、無駄な勘繰りをして不安に陥りやすいもの。例えば「どういう意味?」 という言葉はどんなニュアンスで伝えるかで、受け取る側の印象は大きく変わってきます。
「人と会うのが億劫」は危険信号?
相談者さんは、「だんだんリアルで会うことが億劫になってきた」とのことですが、これは危険信号かもしれません。もともと人と会うことが苦手なタイプでなかったとしたら、抑うつ的な傾向にある可能性があります。
もし「人と会うのが面倒」などの抑うつ的な傾向が出てきて、自分で「ちょっと変だな」と気づいたら、気持ちが上がるような行動を意識してみてください。友人とショッピングに行く、同僚をランチに誘うなど、誰かと会う機会をつくってみるのもいいですし、まずは自分ひとりでお出かけするのでもよいかもしれません。
誰かに会うとなると、いろいろな刺激が生まれてきます。「明日Aさんに会ったらこの話をしよう」「明日はこれを着ていこう」など、会う前からワクワクしますよね。