「ねるねるね〜るね」のCM曲も印象的なクラシエフーズのロングセラー「ねるねるねるね」から、薬の服用時に使う「おくすりパクッとねるねる」が誕生しました。新型コロナウイルスやインフルエンザなど、さまざまな病気が流行するこの季節に、子どもの薬の服用に悩む家庭の救世主となるのでしょうか──。

「ねるねるねるね」とここまで違う!苦味を抑える工夫

── 「おくすりパクッとねるねる」は薬を飲みやすくする商品ですが、開発のきっかけはなんでしたか。

 

クラシエフーズ マーケティング室 木下さん:病院のお医者様が、入院中の子どもたちに薬を飲ませる際に「ねるねるねるね」を使用していて、子どもが楽しく飲んでいるというお声を頂戴したことがきっかけです。服薬に適した商品を作ることで、より多くの方に使っていただけるのではと思い開発しました。

新商品「おくすりパクッとねるねる」のパッケージを開封すると、このようなアイテムが入っている。味はメロンソーダとイチゴの2種類入り

── 通常の「ねるねるねるね」との違いを教えてください。

 

木下さん:通常の商品は、1番の粉に水を入れて混ぜてから2番の粉を入れて混ぜるのですが、こちらは1つの粉に水を入れるだけで作れるようになっています。病気のときに使うものですので、お子様と保護者様の負担を減らす仕様になっています。

 

あとは1回分の量を3分の1ほどに抑えて、薬を残さず飲んでいただけるよう設計しています。

 

通常のものはカルシウムを配合してお子様の発育に貢献させていただいていますが、薬によっては、カルシウムによって効果を阻害してしまうものもありますので、カルシウムを不使用にしました。また、アレルギー物質も不使用にすることで、ひとりでも多くの方に使っていただけるようにしました。(アレルギー表示義務・推奨の28品目不使用。小麦・卵・乳を使用した設備で製造。)

水を入れて混ぜるとふわふわ膨らむ!こちらは「おくすりパクッとねるねる」メロンソーダ味

── 粉薬を子どもに飲ませるために、いろいろなものと混ぜた結果、苦味が増してしまうことがあります。薬の苦味を抑えるためにどのような工夫をしましたか。

 

木下さん:酸性に反応してコーティングが剥がれて苦く感じてしまうお薬がありますので、pHを高くして、酸味を抑える工夫をしました。

 

また、独自のふわふわ粘度のある食感が、おくすりを巻き込んで苦味を感じづらく服薬できるようになっています。

 

使用に問題はありませんが、抗生物質はコーティングを溶かし苦味が強くなる可能性があるため、推奨はしておりません。抗生物質に限らず、酸性側で効果が薄れる薬剤もありますので、飲み合わせは医師または薬剤師に相談ください。

 

── 開発段階で、苦味に対する実験はどのように行ったのでしょうか。

 

木下さん:人体に安全な、植物から抽出した苦味料を使って苦味の反応度合いを実験したり、商品に葛根湯などを混ぜて試したりもました。開発中には食べた直後、中間、後味、と3段階で苦味に対する評価を重ねてきました。

 

── より薬の苦味を感じないようにするための、おすすめの作り方はありますか。

 

木下さん:水を計量カップの表面張力ギリギリまで入れていただいて、しっかり混ぜることでよりふわふわします。薬を入れたあともよく混ぜていただき、薬を均一にすることで苦味が軽減できるかと思います。

「おくすりパクッとねるねる」パッケージの裏面。先に「ねるねる」を作ってから薬を混ぜる