原因は住人が多いゆえの「連携プレイ」

どうしてこうなってしまったのか…家族それぞれの動きを観察すると、答えがうっすらと見えてきました。

 

あくまで想像ではありますが、まず、私がレターセットを居間のテーブルの上に置き、ちょっと席を外す。そこにやって来た高校生の息子がテーブルでコーヒーを淹れようとして邪魔なレターセットを、同じようにテーブルの上に置いてあった新聞の上に移動させる。その上に猫が乗る(わが家の猫はなぜか本や書類の上に乗りたがります)。猫が飛び降りるときに新聞とレターセットが散乱する。義母がため息をつきながら新聞をまとめて古新聞入れに片づける。その間にレターセットが紛れ込む。

 

どうでしょう。真実は知るよしもありませんが、大体こんなところだろうと思うのです。

 

意識してみれば、ほかにも

 

1.義父からテーブルの上を片づけなさいと言われた子どもたちがモノを雑にまとめる。それでできた山が邪魔だから義母が他の部屋に移動させる。それを夫がさらに他の場所に片づける。

 

2.義父母から頼まれた買い物を渡す。残りの台所用品などを親切心からしまってくれる。行方不明になる。

 

3.私の持ち物である文具などを子どものものだと義父母が思い込む。子ども用の棚にしまわれる。子どもたちがそのまま棚の奥に死蔵する。

 

4.猫が毛玉を吐き戻しそうになって咄嗟にモノをどかす。そのままそのへんに積まれてうやむやになる。

 

などのパターンが観測されました。

 

つまり、わが家のモノの行方不明問題は、複数家族(猫を含む)の連携プレイによって引き起こされていたのです。

 

そして誰もが自分の行動しか把握していないため、ここにあったアレ知らない?と聞かれても、知らなーい、となるのです。

モノが消える理由はわかったけれど

いや、わかっているのです。そのへんにモノをとりあえず置くのがそもそもの元凶だと。買ってきてすぐにきちんと片づければこんなことにならないのだと。よくわかってはいるのです。

 

しかし、6人も家族がいてそれぞれの持ち物がひしめく居間、そんなに完璧に片づけられていたら私は今頃、整理整頓収納アドバイザーとしてスッキリインテリアのコツについての記事を書いています。無理です。性格的にどだい無理なのです。

 

今年こそはなるべくすぐに片づける…そう思いながらすでにしっかり乱雑な居間を眺め、ため息をつくのでした。


文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ