SNSで話題になってお寺からも制作依頼が!

── 最初に2D仏像顔出し看板をお披露目したのは、地元・岡山でのイベントだったそうですね。

 

ニシユキさん:はい。少ないけれど「いいね」と言ってくださる方がいて、続けようと思えたんですよね。まさか10年も続くとは思っていませんでしたが(笑)。

 

毎年イベントに出展しながら、SNSで発信するうちに「ずっとファンでした」と言ってくださる方も増えました。

 

お客さんがSNSに写真を載せてくれたり、地元メディアに取り上げられたりするうちに、「2D仏像顔出し看板」が広く認知されていったように思います。

 

制作を始めた当初は岡山市内でのイベントが多かったのですが、県外のイベントや仏教界の方たちが運営するイベントにも呼ばれるようになり、活動の場が広がっていきました。

 

仏教×テクノロジーのイベント、ニコニコ超会議2022『超テクノ法要×向源』に出展

── 2D仏像顔出し看板の制作依頼は、お寺からもくると伺いました。

 

ニシユキさん:記念式典やマーケットのようなイベントがあるときに、お寺からご依頼を受けて、そのお寺にちなんだ仏様や、ご本尊(寺においてもっとも重要な信仰対象)の顔出し看板を作っています。

 

お寺によっては、仏像を近くで拝めなかったり、仏像が隠されてお目にかかれなかったりする場合もあるので、仏像顔出し看板は「寺院」や「仏像」に親しむために、ちょうどいいツールになっているようです。

 

── 仏像顔出し看板は描く線が多く、精巧な作りですよね。大きな段ボールに描かれているのでバランスをとるのも難しそうです。

 

ニシユキさん:なるべく忠実に描きたいので、大きな板段ボールに5センチ角のラインを引いてから下書きしているんですよ。

 

顔・体・背景のバランスを取るため、5センチ角のラインを引いてから下絵を描く

iPadや本で見本を見つつ、顔や体、光背(背景の後光)の比率が現物と同じになるように描くのがポイントです。

 

また、作品によってはアクリル絵の具で色つけをするのですが、段ボールの地の色を大事にしているので、色を塗り重ねることは避けています。

 

塗り直しができない緊張感のなか、自分が思い描いた風合いを表現するのも一つの楽しみですね。