一度見たら忘れられない、インパクト大のビジュアル。仏像好きや顔はめ愛好家のみならず、寺社からもいち目置かれる「2D仏像顔出し看板」はどのようにして作られるのか。10年間作り続けるニシユキさんに、制作秘話や仏像にかける思いを聞きました。
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初作品のモチーフは20代で見て圧倒されたあの仏像
──「2D仏像顔出し看板」というユニークな段ボールアートを作られていますが、昔から仏像が好きだったのですか?
ニシユキさん:熱狂的に好きなわけではないのですが、仏像は昔から身近な存在でした。
小学生のころ、月に1回は祖母に連れられて地元(岡山県・倉敷市)の玉島にある円通寺に行っていたことが大きいと思います。
円通寺内にある公園の中にお地蔵さんが何体も配置されていて、お米のようなお菓子をお供えして歩くんですが、遠足みたいですごく楽しくて。
この経験から寺に足を運ぶことや手を合わせることは、私にとってごく自然なことでした。
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── 幼いころから寺社や仏像になじみがあったのですね。大人になって、仏像への思いに変化はありましたか?
ニシユキさん:20代半ばくらいに見に行った東寺の「立体曼荼羅」では、これまで見てきた仏像とはまったく異なるものを感じました。
それまでは仏像(菩薩や如来)に対して「静」の印象を持っていたのですが、立体曼荼羅は躍動感にあふれていたんです。
このときの衝撃がずっと心に残っていて、「顔出し看板」のモチーフは仏像にしたいとすぐに決まりました。
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── 初めて2D仏像顔出し看板を作ったときの心境を教えてください。
ニシユキさん:初めて作り上げたのは「宝生如来」の顔出し看板だったのですが、完成したときの感動はいまでも忘れられません。
友人からもらった大きな段ボールに下書きもせず勢いで描いたのですが、完成したものを見て「何かすごいものができた」感覚だけがありました。
いま見ると、顔の大きさに対して体がすごく小さくて、かなりアンバランスなんですが(笑)。