「夫の考えがわからずに詮索するのも嫌なので、“どう思ったの?”と話し合うようにしています」と、hitomiさん。子どもについて夫婦間で会話をすることで、前を向こうと過ごしています。それは親子の関係も同じだそう。ため込んで「相手はこうなのかな…」思いをめぐらせるだけでは辛いですよね。
連れ子の子育ては夫婦で対話を重ね合うしかない
── hitomiさんは、子連れ再婚で血のつながらない親と子が家族になる「ステップファミリー」ですが、家族としての難しさを感じることはありますか?
hitomiさん:子育ては、じつの子どもでも大変ですよね。それが連れ子となると、さらに複雑になります。
ステップファミリーがうまくやっていくには、かなりの努力が必要でそう簡単なことではないと感じますね。
私の場合、長女が前夫との間に生まれた子どもで、「連れてきた側」になるわけですが、やはり夫としては、小さいころから一緒に過ごしていないので、どういうふうに関わっていくか手探りのなか、不安や葛藤もあったのではないでしょうか。
そもそも夫婦間で子育ての方針や考え方にズレが生じてケンカになるのは、よくあることですが、ステップファミリーの場合、いろいろな感情が生じて誤解を生んだり、ぶつかったりすることもあります。
とくに私は連れてきた側なので、「この子を守らなきゃいけない」という思いが強すぎて、過剰に反応するときもありました。
── “過剰な反応”というのは…?
hitomiさん:連れ子を育てるパートナーは、血がつながっていない分、やはり気を使う部分があると思います。あまり厳しい物言いをしてしまうと連れ子との関係が悪くなると思うんです。
なのでその分、血のつながる側が「きちんと伝えなければ」という気持ちがあります。
たとえば、私が長女に厳しい物言いをしたとき、夫から「ちょっと厳しく言いすぎてるんじゃないの?」という反応をされると、「私がちゃんと伝えないと」と気張ってしまったり。
夫には立ち位置として、娘をほめる役割であってほしいとつねづね思っています。私は血のつながりがある分、嫌われ役でいいと思うんです。
── そうした気持ちを抱いたときは、どうされるのですか?
hitomiさん:そういったことをパートナーに言わない人もいると思いますが、私の場合、詮索してグルグル考えるのが嫌なので、そのつど対話をしています。
── 夫婦で言いたいことを伝え合うのは大事ですよね。糸が絡まったまま放っておくと、ほどけなくなって大惨事…はよくあります。
hitomiさん:言わずに気持ちをため込んでいると、とくにステップファミリーの場合は溝が深まっていくと思うんですよね。
ですから、もめごとやズレが生じたときには、お互いに気持ちを伝え合って、理解を深め、認め合うことが大切なのかなと思っています。