日本で言われる「ここまで稼げたら…」はどうでもよくなった

── ダンスを仕事にしはじめた時期っていつころなのですか?

 

naotoさん:大学3年のときには、ダンスの仕事でアルバイトをしなくてもよくなっていました。こんなに楽しい仕事に携われていて生活もできて、「このまんま辞めちゃうのももったいないな」って思うようになって。

 

結局、ダンサーになることを決意して、大学4年のときは就活せずに、ダンスの仕事を軌道にのせるために頑張りました。

 

AOさん:僕は何事もプロ意識をもってやるのが好きなタイプ。だから、やるからには絶対にプロになると思ってダンスもやってきました。

 

大学3年のとき、ニューヨークに留学したんですけど、自分のパッションをぶつけられるものを仕事にしている人たちとたくさん出会ったんです。自分にとっては、日本でよく言われる「これくらい稼げたら幸せだよね」という収入で仕事を選ぶ概念が壊された瞬間でした。

 

みなさん、収入が多くなくても、自分のやりたいことをやれることに幸せを感じていたんですよね。それで僕も「どうなるかわからないけど、ダンスでやっていきたいな、続けていいんじゃないかな?」と思えたのが大きかったです。

 

帰国して大学4年で卒業した後は、カフェでアルバイトをしながらエキストラのような仕事をしていました。少しずつダンスの仕事を始めて、ひとつずつ規模が大きくなっていった感じです。

 

KANさん:僕は中学も高校も違う部活に入りながらもダンスは続けてて、高校生のときから子どもたちにレッスンで教えていました。

 

「好きなダンスでお給料をもらえるなんて、こんなに幸せなことはないな」と思っていたし、「楽しい!最高!」みたいな感じでした。それで、高校生のころにロサンゼルスのダンス大会に行くオーディションに合格して、現地で参加したんです。

 

そうしたら、同い年のダンサーたちが自分よりも圧倒的に注目されているのを目の当たりにして、信じられないくらい悔しい思いをして。「ダンスを自分の武器にしてやる、堂々と『ダンサー』と自分で名乗れるくらい頑張ってやろう」と思ったんです。これをきっかけに仕事を頑張りましたね。