イラストはイメージです

40代になると親の介護問題が起こってくるケースが増えてくるようです。同居したほうがいいのか、施設に預けるべきか。いずれにしても、人手不足、気持ちの葛藤、経済的な理由…さまざまな問題が起こり得ます。

「母の面倒をどうするか」週末は実家で介護することに

「うちから2時間ほどのところに、母は6年前からひとりで住んでいます。元気だったのですが、半年ほど前に転倒して骨折、入院してしまったんです」

 

カオリさん(42歳、仮名=以下同)は疲れたような顔でそう言います。彼女は共働きで、12歳と9歳の子を育てています。夫も多忙で夫婦で協力しあってなんとかここまでやってきたそうです。

 

「2か月ほど入院してリハビリ病院に転院、でもその後、病院を出なければいけなくなりました。

 

母は自宅に帰る以外の選択肢を考えていなかったけど、少し認知の歪みもあるし、ひとりで暮らすには不安な状態でした」

 

カオリさんには2歳年下の弟がいます。弟は実家近くで暮らしていて、バツイチの独身。母親を「施設に入れよう」と相談すると、弟は強硬に反対しました。

 

母自身も「施設には行きたくない」と泣き出しました。

 

「弟は、『平日は僕が夕方から翌朝まで実家に泊まるから、週末は姉さんが来ればいい』と。母は『それなら私も安心だわ』って。

 

母と私は決して仲良し母娘ではなかったし、葛藤があるのですが、だからといって70代半ばの母を見捨てるわけにもいかない。弟の言うように週末は実家に通うことにしました」

 

子どもたちはまだ小学生だから、土曜日に実家に泊まるわけにもいかなかったのです。