「突然のフォロワー激増」テレビ番組出演で人生が一変
── 新喜劇のやり方になじむまで、ずいぶん苦労されたんですね。
松浦さん:
新喜劇は稽古1日だけで幕を開けるんです。だから、ふだんのコミュニケーションや信頼関係が本当に大切。
自分から心を開いて、相談したり話しかけたりすればよかったのですが、当時はそれができなかった。
それまでしてきたバレエの世界は実力勝負で、人に気をつかう必要があまりないんです。逆に、踊りさえできれば認められるところがありました。
けれど、新喜劇は表(舞台)でも裏(楽屋)でも、人としてきちんとしていなければいけない。
舞台ではやりたい放題のように見える芸人さんでも、ふだんからちゃんとしています。楽屋のしきたりもお手伝いも全部、みなさんと舞台に立つために必要なことでした。
── 新喜劇で徐々に受け入れられ、今度はテレビ番組出演により、広く世の中に知られる機会がめぐってきました。
松浦さん:
2017年のとんねるずさんのMC番組の1コーナー「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」ですね。生前の父が一番好きだった番組。
番組オーディションの前、たまたま新喜劇に中国雑技団の方が来られて、コラボ公演がありました。
「なんでも拾って、ネタにつなげよう」と考えていたので、これは使える!と観察を重ねて、ネタ見せやオーディションで披露したんです。
この番組で人生が変わりました。TwitterやInstagramのフォロワーが一気に増えて、検索ランキング上位に入るなどテレビの力に驚きました。
── とんねるずさんの番組が世間に認知されるきっかけになりましたが、このころからYouTubeも始めたんですか?
松浦さん:
1回目の出演の反響に驚き、“これは何かをしかけたい”と、翌年の2回目の出演にあわせてYouTubeで『けっけちゃんねる』を始めました。
じつは大阪芸術大学時代に、“バレエあるある”、“芸大あるある”など笑える動画を作って仲間に見せていたんです。
大学の同期が「景子は絶対、YouTubeやったほうがいい!」と、撮影や編集を手伝ってくれました。
同期のサポートを得て、オファーを受けた「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」2回目の出演にあわせてYouTubeをはじめ、多くの方々に観てもらえるチャンネルになりました。