Webライターとして活動を始め、現在は作家として小説の執筆を行う大木亜希子さん。中学で芸能界デビューし、その後、会社員に転身するも“人生に詰んで”、立ち止まってしまったことがあったそうです。お話を伺いました。

アイドルから会社員へ

── 15歳から芸能界で働き始めたそうですね。

 

大木さん:
中学生で女優デビューしました。前年に父親が亡くなって家計を救おうという思いもありましたし、ひょんなことから大きな事務所からお声をかけていただいたこともあって。

 

その後、20歳からアイドル活動をしていましたが、23歳になる直前にグループが解散して、そこから2年間は地下アイドルとして活動していました。それまで日本武道館など、大きなステージに立たせてもらっていたのですが、地下アイドルになってからはお客さんが3人だけという日も。

 

フリーランスのライターとして活動を始めた頃の大木さん。大きなレンズのついたカメラを持って取材をする様子

自分が自信を持って「地下アイドル」かと言えるかといったらそうではない状況で、食べていかなきゃならないし、これからどうしようと思っていたんです。漫画喫茶で調べた、Webのライターの仕事に応募したのがきっかけで、25歳から会社員として働き始めました。

 

── 芸能界の仕事とはまったく違う職業ですが、「書くこと」を仕事にしようと思ったのはなぜですか。

 

大木さん:
アイドル時代、自撮りとともに近況報告をSNSに投稿する同業者の女性をたくさん見ました。そういう戦略も、芸能界で生き抜くためのひとつの戦い方だと思います。

 

ただ、私の場合は、写真に比べて文章で「いま自分が感じていること」をファンの方に伝えることを重視していたんです。

 

幼少期から「いつか書くことを仕事にする気がする」とも思っていましたし、何かを表現するときに文字を使ってするという感覚がありました。小さい頃から活字中毒でした。

 

── どんな本を読んでいたのですか。

 

大木さん:
ピアニストだった母がピアノの上に置いていた、小池真理子さんの小説や、婦人公論、本好きの姉が持っていた中島らもさんの小説など、90年代カルチャーの活字の本を幼い頃から読んでいました。その後も、沢木耕太郎さんとか、そういう世界にどっぷりハマっていました。