「鼻歌が本気に」料理中でも歌に夢中になって…

── 元さんのお話から想像すると、お子さんはのびのびと育っているんでしょうね。

 

元さん:
中学生はなかなか難しいですよ。この前、息子に初めて「クソババア」って言われて、頭にきちゃって(笑)。

 

「そんなこと言うなら育てないよ!」って返しました。これ、私の最終手段です。

 

うちの母の場合は、よほどのときは「給食費払わないよ」って言われてきましたが…、子どもへの“決め台詞”って、皆さんありませんか?

 

でも、ふだんは親子であっても子どもをひとりの人間として向き合っているので、頭ごなしに言うことはほとんどありません。

 

今年7月にニューアルバムを携えて開催したワンマンライブの様子

── 子どもの人格を尊重しつつ、けじめはつける、と。お子さんは大きくなられましたが、子育て中、歌に助けられたことはありますか?

 

元さん:
子どものころ、意味がわからないけれど覚えた歌が、大人になった私を助けてくれたことが何度もあります。

 

人生の教訓、歴史や人々の営み、困難の乗り越え方、愛や子育て…いろんな場面でシマ唄が私を導いてくれました。

 

シマ唄に限らず、子どもたちにもこんなふうに“歌のお守り”をあげたいです。

 

子どもたちは小さいときに私のライブを聴きに来ていました。どこかで記憶に残り、いつか励ましになればといいなと思います。

 

九州のテレビ番組の収録風景。奄美市大浜海浜公園で歌う元さん

── 元さんは、日常的に歌っているイメージがあります。島では「ちとせねえ」と呼ばれ、親しまれているそうですね。

 

元さん:
よく歌っていますねぇ。もちろん、自分の歌ばかりではないですけど。家で歌っていると、家の外からよその人が合いの手を入れてくれることもあります(笑)。

 

私、軽い鼻歌というのが歌えないみたいで、歌い出すとつい本気になっちゃって。

 

たとえば、夕飯を作りながら歌い始めるとその間、料理の手が止まります。だから、「お母さん歌い出しちゃった。ご飯何時になるの?」と、毎回子どもたちにせかされます。

 

歌が日常に根づいているのが奄美の良さです。シマ唄は、とくに何げない日常や会話を即興で歌うものなんです。

 

そうそう、奄美出身のアーティスト・中孝介くんとかけ合いもしますよ。“あなたの腕はどうしてそんなにマッチョなの~”ってね。

 

学校への出前授業でシマ唄を歌う機会も多いですし、教室に通ったり部活でやったり、私が高校生のときよりもシマ唄を習う子どもたちは増えていると思います。