窓口で払うお金が増えるデメリットも
では、デメリットは何か。第一は、現在はまだマイナ保険証を使える医療機関や薬局が少ない点です。
マイナ保険証に対応するには医療機関側で専用のシステムを導入しなければなりません。
政府は2023年3月末までにほぼすべての医療機関の導入を目指していますが、費用負担の重さなどで整備が進んでいません。
厚生労働省のホームぺージでは、マイナ保険証を使える医療機関や薬局が公開されています。
また、マイナ保険証を利用した場合、窓口の自己負担額が上乗せされるのも気になるところです。
2022年9月までは3割負担の人で初診時21円上乗せ、調剤時9円上乗せでしたが、批判を受けて同年10月から初診時6円、調剤時3円に引き下げられました。
いっぽうで、マイナ保険証を利用可能な医療機関で従来型の保険証を使うと、10月から初診時12円(9月までは3円)上乗せ、調剤時9円(9月までは3円)上乗せと引き上げられている実態も見落とさないようにしましょう。
そのほか、個人情報漏洩の問題やシステムエラーで使えなくなるなど、マイナ保険証に懐疑的な情報をニュースなどで耳にします。
紙の保険証の廃止まではまだ時間があります。メリットやデメリットを頭に入れ、政府の動向も伺いつつ、納得したタイミングでマイナ保険証を作るのがいいのかもしれません。
※情報は2022年11月現在のものです。最新情報はホームページなどで必ずご確認下さい。
監修/横山光昭 取材・構成/百瀬康司 イラスト/村林タカノブ