ダニアレルギーには寝具類のケアが最重要

── 対策すべき要素はたくさんあると思いますが、いちばんのポイントは?

 

髙岡先生:
寝具類ですね。ベッドや敷布団、掛け布団、枕などには、ダニが増えやすい条件がそろっています。人の汗などによる湿度、体温・室温といった温度、人間の垢やフケなどの皮膚片や寝具類のほこりでダニは増えます。

 

ダニが増殖した寝具で眠ることでアレルギーを発症したり、症状が悪化したりするため、寝具類のケアは非常に重要です。

 

ダニの温床となりうる寝具類

── 寝具類の対策は、どうすればいいのでしょう?

 

髙岡先生:
ダニは60〜85%の湿度の高い場所で増殖しやすいので、乾燥させることで繁殖を抑える一定の効果があります。昔は布団を干す頻度が多かったり、定期的に中綿を入れ替える「打ち直し」をしたりと、ダニを増やさない習慣がありました。でも現在は、まめに布団を干すのは難しい場合が多いですよね。

 

布団干しの目的は乾燥させることなので、干すのが難しければ布団乾燥機でも代用可能です。また、乾燥させてふっくらしたところで定期的に掃除機をかけると、アレルゲンとなるダニやダニの糞、死骸などをある程度は除去できます。

 

季節の変わり目に毛布やタオルケット、掛け布団を替える際にも、保管場所でダニが増殖している可能性があります。きれいにしてしまったものでも使い始める前に、洗濯できるものは洗う。掛け布団は布団乾燥機をかけて、掃除機で吸い取るようにしてください。

 

そしてシーツやベッドパッド、掛け布団カバー、枕カバーは、寝具類の奥に潜むダニからのバリアになります。

 

古い布団やベッドのマット部分はダニが増えている可能性が高いため、布団やベッドを買い替えたり、防ダニ仕様の布団に変えたりできるのが理想ですが、経済的な負担も大きいと思います。洗濯しやすくバリアとなる、シーツやベッドパッド、カバー類で清潔を保つことは有効なダニ対策といえます。

 

寝具類ではありませんが、寝室は人が快適に眠るため、長時間温かく湿度も高く保たれていることが多いので、よりダニが好む環境になります。部屋全体の対策として、就寝の際に空気清浄機を使うのもおすすめです。

 

空気清浄機のイメージ

── 寝具に近い条件ではクッションや座布団なども、同様のケアが必要でしょうか?

 

髙岡先生:
クッションや座布団に加え、布製のソファー、椅子のクッション部分なども対策したほうがいいですね。

 

お子さんの勉強机や食卓の椅子などは、意外と見落としがちです。クッションのあるところはダニが増えやすいため、乾燥させてから掃除機で吸い取るようにしてください。