床面は掃除しやすい状態に、食品は保存方法に注意!

── 寝具やクッション類に次いで、ケアすべきポイントは?

 

髙岡先生:
床面です。溝のお話をしましたが、ダニが好む繊維素材ではなく掃除もしやすいフローリングは、むしろダニ対策としてはいい床面です。いっぽうカーペットやラグ、マット類は繊維素材のものが多く、ほこりがたまりがちでダニの住処になりやすいです。

 

さらにダニが増えやすいのは、畳の上にカーペットを敷いたり、カーペットの上にラグやマットを重ねること。隙間でダニが増殖しやすく、重ねた上からでは掃除機で吸い取れません。

 

小さいものであれば、定期的に裏側にも掃除機がかけられます。ただ、畳の部屋全体にカーペットを敷いている場合など、裏側までの掃除は難しいですよね。そうした部屋で症状が出る場合、無理なく対策を続けるためには環境を見直す必要があると思います。

 

玄関のほか、湿度が高くなりがちな台所や洗面所、トイレに置くマット。本来は清潔に使うためのものですが、ダニの温床になります。使うならこまめに洗濯してください。

 

── 台所の話が出ましたが、食品のダニ対策も教えてください。

 

髙岡先生:
海外で使いかけのパンケーキミックスのなかでダニが増え、ダニアレルギーによるアナフィラキシー症状が出た事例があり、「パンケーキ症候群」として注目されました。日本ではお好み焼きやタコ焼きの粉から大量のダニが検出されるなどの例も報告されていて、粉類を中心に注意が必要です。

 

ダニは1時間で1mほど移動でき、エサのある場所に集まります。台所は温度や湿度が上がりやすいダニが好む環境なので、保存方法に気をつけないといけません。

 

小麦粉などは使いかけで保存できるよう、シールやファスナーがついていますが、シールの外側にこぼれた粉があると、そこでダニが増殖。次に袋を開けた際、ダニが中に入ってしまい、さらに増えることになります。

 

使いきるのがいちばんですが、安全に保存するなら使いかけのものは常温で放置せず、しっかり封をして乾燥材などと一緒に密閉容器に入れ、冷蔵室や冷凍室にしまいましょう。乾燥した低温の環境にすれば、ダニの増殖を抑えることができます。

 

髙岡正敏先生
「無理せず、できることを継続してほしい」と話す髙岡先生

 

PROFILE   髙岡正敏先生

医学博士、獣医師。埼玉県衛生研究所環境衛生部技術吏員などを歴任。50年以上のダニ研究を基に、アレルギー症状軽減のための調査・指導を行っている。著書に『お父さん、お母さんが知っておきたいダニとアレルギーの話』(あさ出版)ほか。

取材・文/鍬田美穂 写真提供・撮影/八木実枝子