もし自分と同じ気持ちを味わったら

保田圭
日々、息子の成長が楽しみです

── ところで、保田さんはデビューから約3年間は、自分の役割が見出せず、辛かった時期があったと聞いています。もし、息子さんが成長するにつれて、当時の保田さんと同じような気持ちを味わったとしたら、どんな言葉を掛けますか?

 

保田さん:
そうですね…。多分…あなたはあなただから、大丈夫よって言います。

 

とにかく、当時の私は自信がなくて。まわりのメンバーと比べて人気も実力もなく、力不足だったし。

 

確かにスポットライトを浴びてステージで歌ってましたよ。でも、ひとりになると「私なんて…」って心の中で、何万回も思ってましたね。

 

今思えば、自信のなさが、いろんなことの根源に繋がっていたのかなと思います。

 

そもそも、自分で自分を否定する言葉って良くないですよね。息子にも絶対使ってほしくないですし。この記事を読んでくださっている方にもそう思います。

 

まぁ、自分に厳しく言葉を使いたくなる気持ちも、自分自身がそうだったからよく分かるんですけど…。

 

ただ、自信のなさって相手にも伝わるじゃないですか。

 

保田圭
今は、自分を否定する言葉を使わないと語る保田さん。

── 口に出さなくても、態度とか雰囲気で伝わっていくような?

 

保田さん:
自信がないときって、バラエティに出ても、話を振ってもらえないんですよ。「今質問しないでほしい」「こっちを見ないで欲しい」ってビクビクしていると、振られないですから。

 

私は「うたばん」に出て、イジられキャラになってから、徐々に自分の役割もわかっていったような気がします。

 

だからってわけでもないんですけど。でも、息子にも何かひとつでも得意なこととか、自分の強みのようなものが見つかるといいなって思います。

 

── 気づけば自信に繋がっていたり。

 

保田さん:
もちろん、私も今でも自信があるわけではなくて、コンプレックスもたくさんあるんですけど。でも、一つひとつの成功体験によって、当時に比べたら、自分らしく過ごせるようになっていったと思います。

 

強みと言っても小さいことでもよくて。整理整頓が得意とか。絵を描くのが上手いとか。

 

だから、子どもがこれは得意っていうものが見つかるように、私も手伝えたらいいなとは思っています。

 

PROFILE 保田 圭さん

1980年生まれ。千葉県出身。1998年モーニング娘。2期メンバーとしてデビュー。2003年にモーニング娘。卒業。卒業後は、音楽・舞台・ドラマ・バラエティ番組等で幅広く活動。

 

取材・文/松永怜 撮影/井野敦晴