作家ごとに色を変えることもできるカラーカバー
── 有隣堂では文庫は通常のブックカバーだけでなく10色から選べるのですね。
市川さん:
1977年にスタートした「文庫カラーカバー」です。より文庫本を楽しんでいただくために素材の選定から色落ちの実験などさまざまな試行錯誤を重ねた結果、7色(ダークブルー、ライトブルー、グリーン、イエロー、オレンジ、ピンク、ワインレッド)のカラーカバーができあがりました。
1986年にはお客さまからの「モノトーンのカバーも欲しい」というリクエストからアイボリー、グレー、ブラックの3色が加わりました。
本棚に本を並べるときにカバー色をそろえると綺麗で重宝しているというお声や、好きな作家やシリーズで色を決めている方もいらっしゃるようで、それぞれの使い方で読書ライフを楽しんでくださっています。ブルー、ダークブルー、グリーンの3色が不動の人気です!
以前は「なに色のカバーになさいますか?」のお声がけをすることでお客様とのコミュニケーションツールにもなっていたのですが、現在は包装資材全体の使用量削減に取り組んでいますためカバーかけを省略させていただいております。ブックカバーをご希望の際は、お会計の際にお伝えください。
── YouTubeの「有隣堂しか知らない世界」も話題になりましたね。カバーかけの回を拝見したのですが、入社(採用)後にみなさん練習をするのでしょうか?お客様が目の前で見ていると緊張しそうですね。
市川さん:
店舗での研修時に習得します。お客様をお待たせしないようにスピードも大切ですが、それ以上にご購入されたお客様の本を傷めないこと、たるみが出たり、きつく巻きすぎたりしないよう調節してきれいにおかけすることをスタッフは意識しています。
おかげさまでYouTubeはチャンネルは登録者数が19.6万人を超えました。
ファンの皆様から多数のご要望をいただき、チャンネルMCであるオリジナルキャラクター「R.B.ブッコロー」柄の文庫カラーカバーを、12月13日から数量限定(1万5000枚)で、有隣堂各店舗で文庫本をお買い上げのお客様におかけしています。
ぜひ、こちらもご希望の際はレジでお声がけください。
── これからも神奈川県をといえば有隣堂!というシンボルで居続けてほしいなと思います!
市川さん:
今後も誠実に取り組んでいかなければと思います。
有隣堂は、神奈川県だけでなく東京に14店、千葉に2店の書店があります。また書店のイメージが強いと思いますが、音楽教室やカルチャーセンターも神奈川県内に18店運営しています。
本屋を楽しい出会いのある空間に変えていこうと、イベントの開催や野菜を販売する「マルシェ」、カフェ併設店での人気作品とのコラボカフェなど、その地域とつながりを持ちながら様々な取り組みを行っています。
また、ミッドタウン日比谷に「HIBIYA CENTRAL MARKET」、日本橋のコレド室町テラスに「誠品生活日本橋」を出店し、新業態の運営にもチャレンジしていますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
文/村上順子