暖かくなってからの大掃除、結局やらない

しかし、数年が経ち、この「大掃除は暖かくなってから」という方針の決定的な欠陥が明らかになってきました。

 

暖かくなってからの大掃除、結局のところ、やらないのです。

 

年に1度、大掃除のときくらいしか掃除しない部位…目立たない場所の窓ガラスやサッシ部分、それにタンスや机の引き出しの中の整理や、思いきって処分する大きめの家具など…。

 

普段の掃除では行き届かない部分は、結局、暖かくなったからといって手をつける気にはなれないのです。

 

特に私のように整理整頓が根っから苦手、掃除もマメにしないズボラ人間にとって、「大掃除」というのは、年に1度しかない掃除・片づけの大チャンスだったのです。

 

確かに理論的には暖かくなってからのほうが作業効率が良いのかもしれません。日頃からマメに掃除をされる方ならばフットワークも軽いのかもしれません。

 

でも私にとっては、「早くしないと年が明けてしまう」という切迫感、はっきりとした締切に追い立てられることが、重い腰を上げて掃除を始める、大いなる動機づけだったことが判明したのです。

爽やかな気持ちで新年を迎えたい!が…

考えてみればこの原稿だって、毎回1か月という猶予があるにもかかわらず、いつも締切間近になってから、うんうん苦しみながら仕上げています。

 

年末の大掃除、それはむしろ私のような人間のためにある偉大な締切なのです。

 

今年こそは原点回帰、なんとかして大掃除に手をつけなければ…そしてこの数年、積もりに積もった汚れをスッキリさせて、爽やかな気持ちで新年を迎えなければ…。

 

そんな決意を義父母に表明したところ、「無理じゃない?体調崩すよ?」のひと言で片づけられてしまいました。

 

もはや誰にも期待されていない私の大掃除…しかしなんとかしなければ、汚れは積もっていくばかり。

 

この原稿を書いている11月から、年末のスケジュールを睨んで、頭を悩ませています。

 

文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ