困ってしまうご依頼も...
── 困ってしまうご依頼があれば、どんなケースか伺えますか。
中村さん:
個人のご依頼で、ご自身の代わりにPTA会議に出てほしいというものはありましたが、今はPTA団体からのご依頼のみ受け付けているため、お断りしています。
また、PTA業務を丸ごと委託できますか、といったお問い合わせも来ていますが、学校によってPTA業務の内容や地域との結びつきなども違うので、全部やるのではなく、サービスとして提供できるものを選んでいただくようにしています。
── PTA代行の今後の可能性、展開をどのように考えてらっしゃいますか。
中村さん:
とくに学校現場は今、過重労働が問題視されています。先生方の負担を減らせないか教育委員会からのご相談もあります。そのほか、自治会、マンションの管理組合からも人手がたりず困っているという相談があります。実際、さまざまな困りごとがあるので、他社とも協業して、役立つサービスを提供したいと考えています。
学校、PTA業務でも、警備、集金、写真撮影など、協業すれば活動を広げられる部分はあると思いますし、他社さんから「一緒にしませんか」というご相談もいただいています。
── PTA業務自体はどのように変化していったら良い、などお考えがありましたら伺えますか。
中村さん:
PTAができた当初と比べて、共働きも増えて、環境が変わっています。PTAによる人の繋がりなど、良かった部分は残したほうがいいと思っています。地域、お子さんと接する機会などはPTA活動として保護者の方にやっていただいたほうがいいと思っていますが、業務のなかには、誰がやっても大丈夫な事務作業などもあります。
そういった部分を代行することで、時間を効率的に使っていただき、お子様との時間を多く過ごしていただきたいと思っています。
PTAも時代とともに組織の在り方が変わると思うので、よさを残しつつ、負担を軽減させるお手伝いをしていきたいと思っています。
── さらに派遣授業などもされているそうですね。どのように学校サポートを進めていかれるのでしょうか。
中村さん:
先生方とお話をしますと、探究学習をどう進めていいかわからないというお声もいただきます。また、中学校では部活動の地域移行が進められますが、地域移行と言っても、どうしていいかわからないというお声も聞きます。
探求学習、部活の地域移行の支援なども含めて、さらなるアウトソーシングサービスを検討していけたらと思っています。
取材・文/天野佳代子 写真提供/近畿日本ツーリスト