地域の方の交流の場になったことで集客にも繋がった

── カフェを地域の方の交流の場にしたいという狙いもあったのでしょうか。

 

濱田さん:
その思いはもちろんありましたが、まずはヘアサロンにお客様を増やすことが狙いでした。広告には限界があると感じていたので、もっと楽しく自然な形で、これからお客様になるかもしれない人と出会える方法はないだろうかと考えました。

 

ヘアサロンでカットする人たち

── その結果、カフェが地域の方の交流の場になり、自然と集客にも繋がったんですね。

 

濱田さん:
そうですね。「ヘアサロンハル」のお客様は赤ちゃんからお年寄りまで年齢層は幅広いんですが、空気が似ている方が来てくださっているように感じていました。お店から楽しそうなもの、新しいものをどんどん発信していけば、世代を問わずに共感してくださるお客様は多いのではないかと思い始めたんです。

 

あと面白いことに、自分たちが「これがコンセプトです」と言ってもなかなか地域に根づかないんだけれど、こういう活動を繰り返していくと勝手にお客様たちが店のコンセプトを決めてくれるということにも気がつきました。

 

併設されているコインランドリー

── 今までで特に印象的に残っているイベントはありますか?

 

濱田さん:
そうですね。カフェでハンドメイド作家さんの作品を集めていたら、1階のヘアサロンも含めてすべて開放してマルシェやマーケットをしてみたいという声があがったんです。

 

いつもはお客様がカットで利用している椅子やシャンプー台で似顔絵を描く方がいたりなど、お店の前庭や通路に、お店が並んで面白く楽しい光景が広がりました。

 

絵画が並ぶカフェの様子

そうしたイベントをうちだけじゃなく地域の20店舗以上に広げてみたら、入場料もないし今まであまり行くことがなかったお店にも自由に行き来できたりするので、ほかのお店にもお客様にもかなり好評でした。

 

コロナで中止もありましたが、10年以上続いたので、町のひとつの行事として定着した印象的なイベントですね。