子どもが嘘をつくときには必ず「事情」がある

子どもが嘘を言うと、大人はすぐに「嘘をつく子」だと決めつけがちですが、子どもが嘘をつくときにはそうせざるをえない事情があります。

 

だから声かけの方法を考える以前に、どのような事情でお子さんの嘘が生まれているのかを理解してあげること。ここがスタートラインになります。

 

頻繁に嘘をつくということは、すでにお子さんの親御さんへの信頼は失われているかもしれません。「どうせ僕の話を聞いてくれない」「僕の願望はかなえられない」と思っているため、嘘をついている可能性が高いです。

 

宿題を提出したとお子さんが嘘をついたのも、そもそも宿題に気がのらず、それを「どうせ聞いてもらえない」と思ったからではないかなと思います。

 

何となく勉強をする気がないとき、親が「じゃあ一緒にやろう」と宿題を見てくれたり、「おやつを食べて、元気が回復したら少しはできるかな?」と応援してくれたり、やりたくない理由をきちんと聞いてもらえたりする子は、嘘をつきません。宿題をやっていないことが発覚しても助けてもらえる安心感があるので、嘘をつく必要がないのです。

 

「提出した」と嘘をつくケースはよくあり、私もこれまでそういった子どもたちと話をする機会が多くありましたが、丁寧に聞いてあげるといろんな本音を話してくれます。

 

たとえば、宿題をやらなかった理由を「めんどくさいから」と子どもが答えた場合、「そんな理由で片づけるな」と怒る人がいますが、それでは子どもは話をしてくれません。「どんなことがめんどくさいのか教えて」と掘り下げて聞いてあげることが大事です。

 

すると、「だって授業がわからないから」「字が汚いと先生にまた悪口を言われる」「みんなの話についていきたいからゲームがしたい」など、それぞれの事情が見えてきます。

 

1つひとつの嘘には背景があるのです。でも、その背景を解決する力がないから目先のごまかしとして嘘という手段を使ってしまう。そこを理解してあげてください。

 

だからタブレット端末の持ち帰りに関しても、ご相談者様は先生に確認する前に、「持ち帰って何をしたかったの?」と、お子さんの事情を聞いてあげたかったですね。