ちぎり絵は自由「上手も下手もないのがいいところ」
── 読者の声から、ちぎり絵は大切な人とつながるツールにもなるのだと感じました。
ウメチギリさん:
そうですね。それだけでなく、自分と向き合うきっかけも与えてくれます。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、本の読者からは実際「作っているうちに気持ちがラクになった」という声もたくさんいただくのです。
── ちぎり絵で、気持ちがラクに?
ウメチギリさん:
はい。みなさんのどこかで「上手に作らないと」という思い込みがあるんですよね。
私自身もそうですが、幼いころから他人と自分を比較して生きるなかで、「こうすべき」という理想や正しさばかり求めてしまうことって誰しもあると思うんです。
でも、ちぎり絵には正解がない。手でちぎるわけですから、真っすぐな線やきれいな丸は描けなくて当然で、むしろいびつでアンバランス。
もう一度同じ形にちぎろうと思っても、なかなか思い通りにはいきません。でもそのいびつさが、そのときどきの自分にしかできない表現だと思うと、とても愛しく感じられるのです。
ちぎり絵は、自由に表現する楽しさと心地良さを教えてくれる。
たとえいびつで不格好でも、ちぎったカケラをかわいいなぁ、楽しいなぁと思うことができたとき、ワクワクする自分に気づいていつも嬉しくなるのです。