鎌倉のおみやげとしても人気がある、鎌倉紅谷の「クルミッ子」。かわいいリスのキャラクターでおなじみですが、2008年にリニューアルされる前のパッケージには、「鎌倉殿」こと源頼朝の絵が描かれていました。祖父と父の創業理念を受け継ぎながら大胆な改革を成功させてきた、鎌倉紅谷の代表取締役・有井宏太郎さんにお話を伺います。

 

くるみがたっぷり入った鎌倉紅谷の人気菓子「クルミッ子」
くるみがたっぷり入った鎌倉紅谷の人気菓子「クルミッ子」

「頼朝さまの絵を変えるなんて」と母が反対

──「クルミッ子」は、2008年にリニューアルされる前のパッケージには、源頼朝の絵が描かれていました。「鎌倉殿」から「リス」とは、ずいぶん大きくイメージを変えられましたね。

 

有井さん:
そうですね。「鎌倉殿」のパッケージは、もちろん鎌倉らしさは感じられるのですが、中身のお菓子とはちょっとイメージが違いすぎて…。

 

「クルミッ子」は先代の社長である父が、35年以上前に考案したお菓子です。生キャラメルとくるみを使った「エンガーディナー」というスイスの伝統菓子をヒントにしています。

 

2年前に亡くなった父は、源頼朝公をたいへん尊敬していまして。鶴岡八幡宮で行われる除魔神事や、弓道をやっていて流鏑馬(やぶさめ)神事にも参加させていただいていました。

 

「クルミッ子」のパッケージに使っていた鎌倉殿の絵は、父が骨董品屋で見つけて気に入り、商標登録をしたものです。

 

ただ、私には、「クルミッ子」というお菓子の魅力がより伝わるパッケージにしたいという思いがありました。そこで、私が代表に就任する時期に合わせて、「リス」をメインの今の形に大幅に変更しました。