「お疲れ様っした!」その後の息子さんの変化
セミの死に直面して以降、息子さんはさまざまな別れに敏感になっていたとのこと。
「テレビや絵本でそういうシーンがあると思い出すのか、ずっと一緒にいてね…や、いなくならないで、としんみり言ったりします。
死とは少し違うかもしれませんが、電車のラストランの絵本で『この電車はもう走らないの?どこへいくの?さよならなの?』と大泣きをしました。
これもさよならをすごく悲しんでいるんだなと胸がキュッとしました。
死そのものというより、セミも私も電車も、もう会えなくなる、いなくなるという事を想像するのが悲しいのかもしれません」
「お疲れ様」と言うようになってからは、変化はあったのでしょうか?
「お疲れ様っした!で納得したというよりは、セミの死骸を元気にやり過ごすといった感じです。なので、勢いでサラッと通り過ぎれるようにはなっていた気がします」
初めて「死」にぶつかった子どもが、不安な気持ちだけで終わらないように、というこげのさんのお考えがとても素敵なエピソードでした。
「死」を理解したり、咀嚼して納得するのはまだまだ難しい年齢です。幼いうちは「やり過ごす」のも大切なのかもしれません。
「子どもから同じような質問を受けた」という方からの共感や、「命をまっとうして、お疲れ様。私も子どもにそう教えたいです」というコメントが寄せられていました。
取材・文/吉井菜子