大人が抱えやすいモヤモヤについて、臨床心理士の八木経弥さんにお話を伺いました。今回は、時代錯誤な育児のアドバイスを続ける義母に悩む女性の相談にお答えします。

 

「『抱き癖つくわよ』時代錯誤な義母の助言をなんとかしたい」(P1)
「『抱き癖つくわよ』時代錯誤な義母の助言をなんとかしたい」(P1)

【Q】義母の育児アドバイスが古いんです!

1歳の娘を育てています。義父母は車で1時間のところに住んでいるのですが、初孫なのでよく娘に会いに来ます。義母は世話好きで、育児についてあれこれアドバイスしてくれます。助かる面もあるのですが、「お風呂上がりは白湯を飲ませないと」「そんなに抱っこしてると抱き癖がつくわよ」などと今の時代、あまり聞かないアドバイスをしてくることも。

 

義母の時代と今とでは育児に違いがあることを分かってもらいたいのですが、仲をこじらせたくないのでいつも笑って聞き流しています。でも何度も言われる状況は正直つらく、なんとかしたいです。夫には夫の親を悪く言うようなことは言いづらいです。どうすればいいでしょうか。

やさしいがゆえに「はっきり言えない」

同じようなお悩みを持つ方、とても多いのではないでしょうか。シニア世代が育児を経験した頃と比べて、母子手帳の内容もガラッと変わっていますよね。

 

「いつも笑って聞き流しています」とのことですが、相談者さんはすごく対人スキルが高いのかもしれません。「夫には夫の親を悪く言うようなことは言いづらいです」ともおっしゃっていますから、とてもやさしい性格の方なのではと感じます。

 

だからこそはっきり言いづらい、言うことがはばかられる、相手の気持ちを慮ってしまうという側面があるのではないでしょうか。

 

いちばんやんわり伝えられる方法は、「あなた」を主語にした伝え方「Youメッセージ」です。

 

ご自身の経験をもとにアドバイスをするお母さんに対して、例えば「なるほど、お母さんの頃ってそうだったんですね」とやさしく返してみては。笑って聞き流すより、相談者さんの気持ちとしてはラクかもしれません。