本当に聞きたいことは言葉を飾らず端的に聞く

インタビュー中に相手が帰ってしまったことも

── では、「インタビューでしないこと」はありますか?

 

安藤さん:
「知ったかぶりの質問はしない」ということは、私の中でずっと決めています。偉い人をインタビューするときって、「カッコよくしよう」とか、「偉そうなことを一発言ってやろう」と思って望むと、必ず失敗します。すぐ見透かされて、どうでもいい返事が返ってきますからね。

 

── 安藤さんもそんな経験が?

 

安藤さん:
私は怒られる常連だったので(笑)。とくに石原慎太郎元都知事や、中曽根元総理大臣にはよく怒られました。

 

相手が偉い人になればなるほど、インタビューする側は失敗しないようにと、つい質問案の字面を読んでしまうんです。相手から「人の話を聞いてない」と怒られるんですよ。本当にこのことを聞きたくて聞いているのか。自分がカッコつけたいから質問しているのか。相手は瞬間的に見極められるんですよね。そこが違うなって思います。

 

── 海外の方など、英語のインタビューも違いはありますか?

 

安藤さん:
英語でインタビューするときは、できるだけ単刀直入に聞きますね。

 

もちろん失礼にならないように意識しますが、できるだけ自分が思っていることを端的に聞きます。英語は日本語とくらべてシンプルな言語なんですよ。もちろん、私の英語の能力なんて限られているので飾るに飾れないんですよ。

 

でも、英語で回りくどい言い方をすると、聞いている相手は「この人は、何を言いたいの?」と、質問の意図が伝わりませんから。

 

日本語も英語も、何度も大失敗を繰り返したことで、「本当に聞きたいことは言葉を飾らないで端的に聞く」ことが大事だと学びました。