褒められると思ったら、真逆だった
── 微笑ましくもありますが(笑)。
安藤さん:
朝礼が終わってクラスに戻ると、担任の先生の怒りが爆発しました。
「誰がウサギになれって言ったんですか!」と。すると、みんなが一斉に私のほうを見たんです。先生から「つまり、犯人は安藤さんね!」と言われて、「はい…」と応えるしかなく。「本当に恥ずかしい!先走りするんじゃない!」とかなり怒られました。
その後、みんなで学芸会には出ましたが、クラス全員、すごく悲しい思い出になってしまいました。それに、私自身もこの先生がいる限り、自分で何か考えたり、アイデアを出したり、行動するのはもう絶対にやめようって思ったんです。
少しトラウマになりましたし、余計に内向的な性格に拍車をかけたというか。しばらくは、学校ではとにかく気配を消して静かにしていようと思いました。
── みんなのためにと思ったことが。
安藤さん:
朝礼の前にウサギの格好をしておけば、すぐに学芸会が始められる。自分ではすごくいいことだと思ったわけですよ。なんだったら「もしかしたら先に準備していたことで、先生にすごくほめられてしまうかもしれない!」くらいに思っていたのに、真逆でした(笑)。
このことが、私の子ども時代の性格を形成するうえで、ある意味ターニングポイントになりましたね。「余計なことはしない」という誓いを立てました。