給食の牛乳が飲めなくて
── そこからどう変わっていったのでしょうか?
安藤さん:
小学校3年生のときに、親の都合で公立の小学校に転校しました。担任の先生が新しく変わりましたが、その先生は私の発言とか行動もたくさん褒めてくださる先生で。環境が変わってからは、自分の考えとか意見、自分自身についてもちゃんと表現できるようになりました。
── 転校したらわりとすぐに打ちとけられるタイプでしたか?
安藤さん:
打ちとけるのは早かったと思います。転校したくせにまた学級委員長をやっていましたから(笑)。ただ、公立の小学校に転校してからは別の問題があって。それが学校の給食。
私、子どもの頃はすごく偏食だったんですよ。肉類全般がダメで、ハンバーグはもちろん、カレーの中に入っているお肉も避けないと食べられない。バターも牛乳もダメ。今考えれば乳製品不耐症だったのかもしれないんですけど。
── 給食で、毎日牛乳が出されていたと聞いていますが、どうされていたのでしょうか?
安藤さん:
昔ですから、強制的に牛乳を「飲め」。「飲まないうちは、教室から出られない」というような時代でした。
当時は、「飲めない、食べない=わがまま」という雰囲気だったので、隣のコモダ君にお願いすると、いつも彼が牛乳を2本飲んでくれました。
ただ、給食の時間以外は、とても楽しく過ごせましたね。学校を転校して、新しい環境に移って、そこから自分らしく伸び伸びといられるようになったような気がします。
担任の先生の存在が大きかったかもしれませんね。
PROFILE 安藤優子さん
キャスター、ジャーナリスト、社会学者。フィリピンの米軍基地潜入ルポ、アメリカ日系一世の記録などの海外取材レポートを担当。フジテレビ系『直撃LIVEグッディ!』などでMCを務めた。近著は『自民党の女性認識──「イエ中心主義」の政治指向』(明石書店)。
取材・文/間野由利子 撮影/坂脇卓也