PRIDE 指標で最高評価の「ゴールド」を2年連続受賞

── 社外に向けた取り組みも積極的に展開されていますね。

 

坪井さん:
はい。性の多様性やLGBTQ支援を意味するレインボーカラーのファミチキ袋やラインソックスを全国で展開しました。レインボーカラーのラインソックスの売り上げの一部は、主に子どもたちのLGBTQ教育を行っている特定非営利活動法人ReBitに順次寄付しています。

 

2021年6月からは、社員が講師となって行う出前授業「ファミマ学園」で、LGBTQもテーマとして取り上げています。教育現場でのLGBTQへの正しい知識や理解を導く活動は、すべての子どもたちが自分らしく活躍できる学校づくりの貢献につながると信じて取り組んでいます。

 

こうした活動が評価されて、LGBTQの取り組みの指標となっている「PRIDE指標」で最高評価の「ゴールド」を2020年から2年連続で受賞しました。

 

そのほか、愛知県岡崎市では、同市と締結した包括連携協定に基づく地域密着の取り組みとして、岡崎市が開設しているLGBTの電話相談の案内カードを市内の約70店舗で掲出しています。この取り組みは、PRIDE指標2021において「ベストプラクティス」を受賞しました。

伝えたい人に伝わるように工夫を凝らした活動を

── ALLYを増やす取り組みを進めるなかで課題に感じたことはありますか?例えば、いちばん伝えたい人たちに限って伝わりにくいということもあるのでしょうか。

 

坪井さん:
ALLYの輪が全国で広がっていることは実感できています。ただ、やはり部署によっては成果が感じられるところと、そうでないところがあると感じています。

 

“伝えること”と“伝わること”の違いや難しさを感じるときもあります。すべての部署の社員たちに伝わってほしいと考えており、伝わるための工夫をもっとしていきたいです。

 

ファミリーマートの全国店舗で販売されたレインボーカラーデザインの靴下
坪井さんは、全国の店舗で販売されたレインボーカラーデザインの靴下を履いて取材に応じてくれた

ただ、外に向けた発信として全国のお客さまに向けて開発し、販売している商品が、実は、社内の理解を促進するきっかけにもつながっているんです。

 

例えば、全国の店舗で販売した、LGBTQへの理解を表現するレインボーカラーのラインソックスを私も履いていますが、社員からの評判が良くて。このラインソックスをきっかけにLGBTQに関心を持ってくれた人も多いようです。社内にとってもインパクトが大きい商品で、こういった工夫の大切さに気づきました。

 

これからも社内外に向けて、LGBTQを理解したい、支えたいという人が増えて、誰にとっても働きやすい職場環境を実現するために知恵を働かせて行動していきたいです。


取材・文/高梨真紀 撮影/河内 彩