アンティーク家具、連なる山脈…まるで本物のような質感で精巧なチョコ細工がSNSで話題です。あらたなチョコの可能性を探るパティシエ・こしチョコさんの話には熱い思いも詰まっていました。
身長50センチの巨大クマのチョコも!
—— それにしても、どの作品もチョコとは思えないクオリティですね。そもそもどうやって作っているのでしょうか?
こしチョコさん:
まず作りたいものの模型(設計図)を作っておいて、液状のチョコに含まれるカカオバターの結晶をもっとも安定した温度調整するテンパリングをしてから、薄く伸ばしていきます。
そして、半固まりの時に、実際の木材のようにパーツを切り出し、設計図通りにパーツを組み合わせていきます。プラモデルや木工作に近い感覚です。
家具を模したチョコを作ったときは、チョコ専用の色素を吹きかけたり磨いたりを繰り返して、木の質感を現しています。
それとは違って、専用の「型」を使って流し込むパターンもあります。
身長が50センチくらいの熊の作品はモールドと呼ぶ型への流し込みです。プロ向けの専門店で売れ残っていた型を買って作りました。
—— 他にも作る工程で難しいポイントはありますか?
こしチョコさん:
本当はチョコ細工作りに向かないほど、僕の手は温かくて…。手の温度が伝わると、チョコは溶けやすい性質だからです。
そのため、エアコンの真下で体を冷やしてブルブル震えながら作っています(笑)。テンパリングが早いと、1〜2分でチョコが固まってきたりするので。
それくらい温度管理が繊細です。テンパリングが壊れたら使えないこともあるから、時間勝負の作業が多いですね。
あとは、根気がいるところです。例えば、花びらだったら、同じ形を一枚一枚ひたすら作り続けないといけないので、集中力も必要です。