「バスっぽさ生かしたい」降車ボタンやつり革を“サウナ仕様”に

── サバスを作り上げる際にこだわったポイントはありますか?

 

松原さん:
既存のバスを使うので「バスっぽさ」を生かしたいというイメージは一貫して持っていました。例えば降車ボタンをオートロウリュのスイッチにしたり、整理券ボックスをロウリュウタンクにしたり、つり革を温度計にリメイクしたり…。レトロっぽさを出すために、サウナ室を作る木材にもこだわっているんです。

 

降車ボタンをポチッと押すと自動で蒸気が発生する

サバスにはあえて焼き加工を施したヒバを使うことで、時代を感じさせるレトロな空間を演出しています。

 

サウナバスの物珍しさにフォーカスされがちですが、サウナそのものにもこだわりを詰め込みました。例えば、サウナベンチの角には丸みをつけて、太ももから膝裏にかけて優しくフィットするよう設計しました。サウナイキタイのサイト内でサバスの裏側ヒストリーを公開しているので、それを見てからいらしたマニアの方々には「これが噂の…」と隅々まで楽しんでもらえています(笑)。

温度計にリメイクされたバスのつり革

── サバスは全国各地に出張しているそうですね。

 

松原さん:
サバスは温浴施設などに貸し出し、レンタル料と交通費をいただく形で運営しています。いちばん多いのは温泉や健康ランドとのコラボですが、最近は旅行会社が乗車体験を盛り込んだ旅プランを企画する例もあり、自治体やイベント会社からの問い合わせも増えてきました。

 

ベンチの丸みにもこだわったサウナ室。バスならではの大きな車窓から景色が楽しめる