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瀬戸内海に面した自然豊かな広島県三原市。この街で市民の安心安全を守る三原消防署に今年春、広島県では初めて女性の救助隊員が誕生しました。三原消防署救助副隊長の新宅若葉さんです。3回目に受けた消防士の採用試験で受かったという新宅さんの想いと、「男性の仕事」と言われる救助の世界でキャリアップを目指す理由を伺いました。

 

広島県初の女性救助隊員として働く三原消防署消防士長の新宅若葉さん
広島県初の女性救助隊員として働く三原消防署救助副隊長の新宅若葉さん

きっかけは「女性の消防士が活躍するドラマ」

── 新宅さんは2018年に消防士として三原消防署に入庁されています。消防士になろうと思ったきっかけは何かあったのですか?

 

新宅さん:
小学生のとき、消防士が主役のドラマ『FIRE BOYS 〜め組の大吾〜』を見て「消防士になりたい」と憧れたのがきっかけです。女性の消防士が活躍していて、「女性も消防士になれるんだ。私もなりたい」と思いました。

 

── 2017年に消防士の試験に合格する前に、2015年から2回受験して不採用になったものの、市の臨時職員として働きながら試験に挑戦されたそうですね。諦めずに試験を受け続けたその原動力を教えてください。

 

新宅さん:
子どもの頃からの「消防士になりたい」という気持ちと、「生まれ育った三原市で消防士になる」と決めていたのが理由として大きかったと思います。あと、市役所で臨時職員として働いているときに、一緒に消防士の試験を受けて採用された人たちを見て、「悔しい」と思ったんです。

自分のできることが増えて、目標も高くなった

── 消防士に採用されたときはどんな気持ちでしたか?

 

新宅さん:
率直に嬉しかったです。「やっとスタート地点に立てる!」と思いました。

 

消防車を運転する三原市消防署の女性署員
消防車を運転する新宅さん

── 消防隊の仕事を経て、今年4月からは救助隊員として勤務されています。救助隊員を目指した理由は?

 

新宅さん:
消防署に入庁したときから「救助隊ってかっこいいなあ」という憧れはあったんです。でも当時は、自分にとっては遠い存在だと思っていました。

 

ただ、訓練や現場経験、資格取得などいろいろ挑戦するなかで自分のできることが増えていって、自然と「救助隊を目指したい」と思うようになりました。