業務時間の「20%」で他部署の業務にチャレンジ

──社員の成長を促す体制づくりとして、具体的な取り組みはありますか?

 

江崎さん:
2020年の10月からスタートしている、社内兼業制度「20%チャレンジ」も、個人の成長を意識したもの。年一回、組織側から「求人テーマ」を提示し、自分が取り組みたいと思うものに応募できます。自身の所属部署に籍を置きつつ、「業務時間の20%程度」の作業時間で他部署の仕事にも取り組めるため、今後のキャリアを考えるきっかけや、働きがいを見出すきっかけになることを期待しています。

 

この制度には、若手社員だけでなく50代以降の社員も多く取り組んでおり、社内の注目度の高さを感じています。

 

私が所属する部署からは、今年、「THE CAMPUSを使ってコミュニティ醸成の在り方を一緒に考える」というテーマを出しました。参加してくれたメンバーからは、イベントや体制・仕組みの観点で意見や企画を出してもらっています。

 

──他部署の仕事に携わることで、自分の新しい能力の発見にもつながりそうですね。

 

江崎さん:
これまでコクヨでは、「働く内容に合わせて、働く場所を選ぶ」ことを推進してきました。THE CAMPUSの設計や運営もこれに則したものです。

 

これに加え、今年1月に「Life Based Working」という新しい働き方のガイドラインを作成しました。現在は、「自分の人生を軸にした働き方をしていきましょう」と呼びかけています。

 

働く場所や時間に留まらず、どのようにキャリアを積みたいかを、自分の人生を軸にデザインしていくことで、さらに働きがいを高められると考えています。

 

 

コクヨの自由度の高い働き方と空間は、個人の意識をより主体性の高いものに引き上げてくれていました。これからの時代は「目の前の仕事を進める」だけでなく、自分の人生の豊かさを考えながら、キャリアを積むことが求められてくるのかもしれません。

 

取材・文/佐藤有香 撮影/大童鉄平