「5年ルール」以外に知るべき返済パターンが…

先ほど紹介した『住宅ローン利用調査』のなかで、変動型を選択している人が「将来の金利上昇に伴う返済額増加への対応策」について、どれほどの理解度があるかを調べた結果も掲載されています。

 

それによると、「十分に理解」、「ほぼ理解」と回答したのは合計47.4%と半数に満たないのが現状です。

 

それでは、変動金利のリスクとは何でしょうか。変動金利というと金利が変動するごとに返済額も同様に変動する印象を持つかもしれません。

 

しかし、多くの場合は「5年ルール」が適用されます。「5年ルール」とはローンを組んだ後に金利が変動しても、返済額は5年間変わらず、6年目から返済額が変わる仕組みです。

 

同時に毎月の返済額が大幅に変わらないように「1.25倍ルール」が適用されていることもあり、この場合は5年後に大幅な金利上昇していても、返済額の上昇幅がこれまでの返済額の1.25倍までに収まるルールになっています。

 

これらのルールがあることで、返済額が大幅に上昇することはないのですが、返済金額の内訳は大きく変わる可能性がある点に注意が必要です。

 

少し極端な例を出すと、毎月の返済額が10万円の場合、元金8万円・利息2万円だったものが、逆転して元金2万円・利息8万円になるということです。

 

このような内訳になると、毎月の返済額よりも利息の支払金額のほうが大きくなっているため、元金の返済はいっこうに進まない状態になります。

 

さらに金利が上昇し続けると、理論上は月々の返済額のすべてが支払利息になることもあり、月々の返済額よりも支払利息の金額が大きくなれば未払い利息が発生するリスクもあります。

 

未払い利息が発生した場合は月々の返済額とは別に精算する必要があります。