住宅ローンを相談する夫婦のイメージ

円安やインフレに加え、金利が大きな話題に。欧米が金利を引き上げるなか、日本では金融緩和が行われ、金利は低水準のままです。それでも最近は少しずつ金利上昇のニュースを耳にするようになりました。金利上昇が本格化すると生活にどんな影響があるのか?今回は金利が上昇した場合に私たちが大きな影響を受ける住宅ローンについて、経済アナリストの森永康平さんが解説します。

変動金利が7割以上「1%の差を侮るな」

これから住宅ローンを組んで家を買おうと思う方にとって、金利の話は気になるところでしょう。

 

住宅ローンを組むことを具体的に検討している場合、「固定型」か「変動型」かについて考えているかもしれません。他の人はどんな選択をしているのかも気になるところですよね。

 

住宅金融支援機構が2022年6月に公表した「住宅ローン利用者調査(2022年4月調査)」によると、住宅ローン利用者の73.9%が「変動型」を選択しています。

 

次に多いのが17.3%の「固定期間選択型」、8.9%が「全期間固定型」です。変動型を選択する人が多いのは、やはりその金利の低さに理由があるでしょう。

 

ここ数年の金利の推移を見てみると、変動金利は依然として低金利のまま推移しています。いっぽうで固定金利は足元でジワジワと上昇しています。

 

住宅金融支援機構が発表したデータによると、2022年8月時点で変動金利は年2.475%、固定金利選択型(10年)は年3.550%とその差は約1%です。

 

たかが1%程度の差と思う方もいるかもしれませんが、家を買う場合は購入金額が数千万円と高額で、1%はとても大きな金額に。

 

しかもローンの場合、30年など長期でお金を借りることになりますから、1%の差でも長期的に見れば複利効果でさらに利息が膨らんでいきます。

 

それなら、金利が低い変動型を選ぶのが正解と思うかもしれませんが、注意すべきことがいくつかあります。