「クソババアって言われたら悲しくなる」と伝えて
相談者さんは「今後息子が『クソババア』と言ってきたら、カチーン!ときそう」と心配されているようですが、誰だってカチーンと来ますよね(笑)。
母親だって1人の人間です。嫌なことを言われたら腹も立つし、傷つきます。そのことをきちんと子どもに伝えることも大切です。子どもは「お母さんには何言っても傷つかない」と勘違いしていることもありますので、「お母さん、そんなこと言われたら悲しいよ」と改めて伝えると、子どもはハッとするかもしれません。
頭に血が昇ると、親子の言い合いになってしまいがちですが、イライラのコントロールができ、昇華させられるようになると、親子関係も程よい距離感を保つことができそうです。
気晴らしをするにはいろいろな方法があります。たとえば、
- ひたすらみじん切りをする
- パン生地をこねる
- 新聞をビリビリにする
- 買い物に出掛ける
- 創作活動をする
- 好きなものを食べる
- 大声で歌を歌う
など。身近で手軽にできる自分なりの方法を探してみてください。
個人差はありますが、反抗期は誰にでも訪れるもの。
思春期になるといろんな現実が見え始め、自立心が育ち、親や大人たちが「絶対的な正解を言う存在ではない」ということに気づきます。それが成長です。
反対に、反抗期がまったくないと、就職も結婚も親の言いなりになってしまう可能性が高くなるとも言われています。
長い目で子どもの幸せを考えたとき、反抗期はとても重要な役割を担っているということが分かります。
反抗期は親にとっては苦しくつらい時期ですが、子 どもが反抗的な態度をとったとき、「この子は今、自立しようとしているんだな」と思える余裕があるといいですね。
PROFILE 八木経弥さん
やぎ・えみ。臨床心理士/公認心理師。心療内科や児童相談所、スクールカウンセラーなどの勤務経験のもと、開業カウンセラーとしても活動中。仕事では心理学を活用した育児の方法などを伝えている。2人の娘の母。
取材・文/大楽眞衣子 ※写真はイメージです。