大人が抱えやすいモヤモヤについて、臨床心理士の八木経弥さんにお話を伺いました。今回は、反抗期を迎えた息子の態度に悩む女性の相談にお答えします。
【Q】子どもが思春期突入?イライラする言葉にどう対応したら
小学生の高学年の息子がいます。最近反抗期らしく、ちょっとしたことで反抗的な態度を取ってきます。たとえば、靴下を脱いだら脱ぎっぱなし、食卓の上に、食べたお菓子のゴミはそのままなので、指摘すると怒ります。宿題の声がけをしても「いちいちうるさい」と。
友人に相談すると、「思春期に突入したのでは?これからもっとひどい言葉やイライラする言葉を浴びせてきて大変になるよ」と言われました。反抗的とはいえ、周囲と比べるとまだまだかわいいほうだとは思うのですが、今後「クソババア」と言ってきたら、カチーン!ときちゃいそうです。そんなとき、自分の中でどうイライラを昇華させればいいでしょうか。
子育て四訓に学ぶ「少年は手を離せ、目を離すな」
子どもの反抗期についてですが、個人差はあるものの、お悩みの方は多いですね。小学校高学年くらいから思春期を迎えますが、このタイミングで子どもとの距離感を変えてみるのもおすすめです。
子どもが生まれてから巣立つまで、長い長い子育てにおいて、参考にしていただきたいのが「子育て四訓」です。
- 乳児は肌を離すな
- 幼児は肌を離せ、手を離すな
- 少年は手を離せ、目を離すな
- 青年は目を離せ、心を離すな
山口県のある教育者がまとめた言葉として知られていますが 、実に的を射た表現だと感じます。
相談者さんのお子さんの場合、まさに「手を離せ、目を離すな」の時期ではないでしょうか。手を離しても自分の足で進んで行ける。つまり、自立心が育っている時期です。「片づけなさい」「勉強しなさい」などと指示される日常は、お子さんにとって “しんどい環境”なのかもしれません。