生徒だけでなく教師も「誰ひとり取り残さない」
「誰ひとり取り残さない」のは、生徒だけでなく“教師”も同じ。山内小学校では、教師の業務を減らす一環として、これまで毎日出していた宿題を、毎週火曜日は廃止しました。
多忙な教師の負担も軽減されるうえ、子どもたちにもその時間を使って新たな学びの気づきを得ることが期待されます。
「国は、学習指導要領の改訂で“キャリア教育”という言葉を出しました。小学生のうちから自主的に自分の生き方や学びを俯瞰し、人生をマネジメントしていく方針です。
本校では、宿題のない火曜日は、子どもたちには“自分づくりデイ”として、今とこれからの自分を見つめ、読書や習い事やゆっくりするなど、自分の思いに沿った時間にあてています。
少し大げさですが、自分をマネジメントする力につなげていってほしいと思っています。
教師も育児や介護など、さまざまな事情を抱えていたとしても、働きやすい環境にしていきたいです。
宿題を出さない日を作るだけで、子どもたちは自分の人生と向き合う時間が作れ、教師は負担が減るメリットがあります」
また、横浜市内の小学校に先がけ、2012年から教科分担制を実践。中学年以上は、担任がすべての教科を教えるのではなく、たとえば1組の担任が他のクラスを含めた理科の授業を担当といった体制をとっています。
「担任ひとりでクラス全員の様子を見て、全教科を教えるとなると負担が大きいです。でも、複数の教師が関わると、その分ひとりの教師では気づかない部分にも目が届きやすくなるはず。
教科分担制は、私が校長になる前から山内小学校で採用されていました。私がさまざまな取り組みをしても受け入れてもらえるのは、もともと先進的な土壌があったからかもしれません」