最近では「トイトレ」とも略される、オムツを外すためのトイレトレーニングは、小さい子どもを持つ親にとって気になるトピックです。日本で唯一、保育サロンでトイレトレーニングクラスを主催し、これまでに250組以上の親子のオムツ卒業をサポートしてきた元保育士の森田さんに、お話を伺いました。

保育サロンの運営などを手がける森田さん

多く寄せられる“トイトレ”の悩み

── 森田さんがトイレトレーニングクラスを始めた理由を教えてください。

 

森田さん:
私が主催する保育サロンで、トイトレに関する悩みが多く寄せられていました。子どもの成長過程の中でも親御さん側の負担が大きいからだと思います。たとえば、パンツにそのまま排泄しまったら、着替えや洗濯、掃除などをする必要があります。

 

トイトレの最終過程ではお子さんはほぼパンツを履いているので、その処理にばかり追われてしまうと精神的にもダメージが大きいです。保育士として15年勤務してきましたが、オムツ外しの流れがあまりにシンプルでありながら、苦労されている方が多いと感じていました。

 

お子さん自身の体調や、母親の妊娠やきょうだいの誕生、引っ越しなどの環境変化をはじめ、色々な要因も強く影響します。もっと簡単な方法をお伝えして、トイトレが苦痛だというご家庭のサポートができたらと思って始めました。

 

── トイレトレーニングクラスではどのようなことをするのですか。

 

森田さん:
実践型で対面のクラスを開催していたときは、お子さんをお預かりして、それぞれのお子様に合わせて、3〜4回トイレに誘っていました。トイレに行くのが楽しくなるような歌を歌ったり、トイレに行けたらシールを貼ったりします。

 

トイレに座った後に、シールを選ぶ子どもたち

コロナ禍以降は、オンラインのみでクラスを開催していますが、親御さんから生活リズムなどを教えていただいて、どのタイミングでトイレに座ったらいいか、お子さんに合わせた言葉掛けなども含めてアドバイスさせていただいています。毎年7〜10月に開催していますが、予約受付を終了しても問い合わせを多くいただきます。

 

── トイトレを始めるにはよく夏がいいと言われますが、森田さんはこの点についてどう思いますか。

 

森田さん:
私も夏は適していると思っているので、クラスの開講時期もこの時期に設定しています。これから始めようと思っていらっしゃる方にはぜひおすすめしたいです。理由としては、この時期は洗濯物もよく乾きますので、汚れたパンツやシーツを洗うことへのハードルが下がります。

 

また、水分をたくさんとるので、他の季節に比べてどのタイミングでトイレに座っても、おしっこが出やすいんです。でも、もし親御さんがまだいいかなと思っているのであれば、それは始めるタイミングではありませんので、来年などにしていただけたらと思います。何よりもご家族の負担を、精神的にも物理的にも少なくすることがトイトレのポイントだと思っています。