昨年、慶應大学野球部のTEAMMATES活動で入部した國久想仁くんが始球式の大役を務めた

病気になって長期療養を強いられた子どもたちのつらさはわからない。でも、病気を忘れるほど夢中になって、時間をともにする“仲間”になれたら——。認定NPO法人が掲げた使命に賛同し、スポーツにおける社会活動を、慶應大学野球部は5年前に始めます。この活動が学生たちに何をもたらすのか、ギラギラと地面を照らす夏の日吉グラウンドを訪ねました。

治療や入院生活を送る子どもをチームの部員に

—— 練習中にもかかわらず、選手やマネージャーさんにもお集まり頂きありがとうございます。まず、野球部が参加する「TEAMMATES」活動とはどういったものなのか、教えてください。

 

神中マネージャー:
認定NPO法人・Being ALIVE Japan(以下、BAJ)さんが治療・入院生活で長い時間を病院で過ごす子どもたちに“青春”を体験してもらうために始めた活動です。

 

そのなかで「TEAMMATES入団プログラム」があって、長期療養中の子どもをスポーツチームに迎え入れ、仲間として過ごし、治療のモチベーションを高めることを目的にした活動です。

 

—— 湘南ベルマーレやアルバルク東京など、日本スポーツ界のトップチームも参加する活動と聞いています。なぜ、慶應大学の野球部が参加したのでしょうか?

 

神中マネージャー:
4年前に、BAJ代表の北野さんと大学が一緒だった当時の助監督が「慶應でも参加することができないか」と、話をされたのが最初だと聞いています。

 

—— 具体的にはどういった形で活動されているのでしょうか?

 

神中マネージャー:
年間でひとりの子どもをチームで受け入れます。

 

BAJの方々と連携しながら、有志で集まった部員がプロジェクトメンバーとして、インスタなどで活動を発信していく広報、親御さんとの連絡役、練習中などグラウンドでのサポートと、3つの役割を分担してお子さんとご家族をサポートします。

 

入部したお子さんは週1〜2回、定期的に練習日に参加してもらい、3時間ほど部員と一緒に汗を流します。

 

昨年は、13歳で軟骨無形成症を治療中だった國久想仁くんをチームの一員に迎えいれました。