わが子がうまれたとき、無事に生まれてきてくれたことだけでじゅうぶんだと思った。
この子が笑っていられるのであれば他に何も要らない、どんな辛いことがあってもこの気持ちだけで生きていける、と心の底から信じていた。
ところが、その翌日には「1分でいいから何も考えずに寝たい」と願っていた。
1週間もするとフラフラの頭で「こんなに寝られないなんて…ちょっと生きていける自信がないかも」なんて考えていた。
仕事をしている横で延々泣かれて「もう無理」と思った。
走れなくなる前に必要な「とっておきのガソリン」は
責任や重圧に押しつぶされそうになって涙を流した夜も一度や二度じゃありません。
それでも折に触れて、冒頭の気持ちを思い出しては自分を奮い立たせてなんとか生きてますし、当然楽しいことや嬉しいことのほうが多かった7年間なのだけど、やっぱりね、走り続けるにはガソリンが必要だな〜って思うんです。
それは「自分のためだけの」ちょっとした楽しみ。
牛肉を食べると元気が出る私は、常々webサイトをチェックしては食べたい肉をリストアップしています。
自分の頑張りやストレスの度合いに応じて、リストからお肉を注文。
正直、リストアップの作業だけでも気持ちが浮き立ってきますし、注文してからお肉が届くまでの時間で既に元気になってる。
疲れていても「今日はあのお肉を食べるぞ」って思うだけで機嫌よく過ごせるんだから我ながら単純なものだなと思いますが、こういうちょっとした楽しみやら生きがいやらがあるのとないのとでは、心のスタミナの持ちが全然違うので、本当に大事。
しんどいときに「子どもの成長だけが私の生きがいであるべき」なんて考えないほうがいいです。そんなの大前提なんだもの、みんな頑張ってる。
機嫌良くいてこそ生活も仕事も上手くいくし、わが子の成長もより楽しめるってものです。
文・イラスト/横峰沙弥香