2022年4月から育児介護休業法が改正され、企業による男性育休の周知・意向確認が「義務化」されました。男性の育休取得率が伸びるにつれて、育児の大変さや楽しさを共有しあえる「パパ友」の必要性を感じている男性も多いようです。
そこで気になってくるのは世間のパパ友事情。同じ保育園に子どもを通わせるパパ友グループ7人に「育休取得時の気づき」と「パパ友をつくる方法」について話を伺いました。
前例をつくれば育休はどんどん増える!育休を取ったパパたち
── 育児介護休業法の改正に伴い、男性の育児休業の意向確認が義務化されましたが、育休を取ることが不安という声もあるようです。皆さんはどうでしたか?
高野さん:
僕は第二子が生まれたときに2か月間育休を取りました。当時、社内では男性社員初の育休取得者だったんです。大きなプロジェクトが佳境を迎える時期と重なっていたので、周りからは「えっ」と驚かれましたが「取得します!」と伝えました。その後第三子が生まれた時も6か月間取りました。
小森さん:
僕は第一子の時に1か月半、第二子の時に7か月育休を取りました。僕も社内では最初の育休取得者だったこともあり、上司からは「本当に取るの?」と何度か聞かれましたね。
── 育休を取るにあたって不安はありましたか?
高野さん:
これは男性に限ったことではないですが、やはりキャリアに影響が出るかもという不安はありました。育休を取ることで周りに置いていかれるんじゃないか、戻ったときにどうなるのだろうかという気持ちはありましたね。妻の気持ちが分かりました。
でも、僕が6か月育休を取得してから、「男性社員はみんな6か月ほど育休を取得する」という流れができてきたんです。最近ではみんな1年程度、育休を取るようになりました。最初こそ驚かれましたが、今は本当に取ってよかったなと思っています。
小森さん:
僕は「何を言われても必ず育休を取る」と決めていたので、葛藤はありませんでした。高野さんと同じように、実際に僕が育休を取ってからは続々と育休取得者が増え、今では子どもが生まれたら育休を取ることが会社で普通になっています。
「育休を取りにくい雰囲気=前例がない」というだけだと思うので、前例をつくればどんどん育休取得者が増えていくと思います。育休取得が当たり前になっていけば、不安を抱く人も少なくなるのではないでしょうか。
── 実際に育休を取得してみて、パートナーの反応はどうでしたか。
高野さん:
妻からは「第一子のときに取って欲しかったな」とは言われました。初めての出産・育児で分からないことだらけの中、相談相手など、相談までいかなくても気軽に話ができる知人がいなかったことにすごく不安を感じていたようです。
二人目のときは上の子とある程度コミュニケーションも取れていて、慣れている部分も多少あったように思います。今思うと、やはり一人目のときに育休を取得すればよかったと僕も思っていますし、取得できるようであれば皆さんにもお勧めしたいです。
── 育休を取得したことで変化したことはありますか?
小森さん:
僕は、子育てを通して「生き方」について考える機会にもなりました。育休中に家族で海外に留学したのですが、その経験によって「いざとなったら家族でどこででも生活できる」と選択肢が増えたように感じます。海外での生活は生き方の幅を広げる大きな要因になりました。育休を取得しなければこのように家族の生き方について見つめ直す機会はなかったように思います。
── 育休取得が、奥さんの気持ちを理解したり、今までとは違う視点に立って物事を考えたりするきっかけになったんですね。
北さん:
こういう話をリアルに聞けることもパパ友グループのメリットだと思います。話を聞くだけでも視野が広がってくるように思います。パパ友グループといっても世代が幅広いので、同世代が持つ育休に対するイメージとまた違う視点がもてて勉強になりますね。
今話を聞いただけでも、あらためて育休取得とは本人だけが努力するべきことじゃなく、周りも育休取得者をサポートする体制を整えるべきだなと思いました。
小川さん:
そうですね。僕は育休を取得できなかったんですが、育休を取得したパパ友の話を聞くことで、妻が一人で抱えていた葛藤に気づくことができた部分があります。申し訳なかったなとか、ありがとうとか、今から何ができるかなと考える機会にもなっています。