いくつになっても、親の小言を子どもは聞かない
── 読者はおもに子育てと仕事に一生懸命なママ世代です。悩むことも多いお母さんたちに向けて、いまの堀井さんからかけてあげたい言葉はありますか?
堀井さん:
私から言えることは「あまり叱らないでください」かな。叱るというか、私は細かく注意しすぎたことを反省しています。「なんでそんな姿勢で座るの?」とか「なんでそこに鉛筆を置いちゃうの?」とか。全部横から口出ししちゃうんですよね。今思えば、子どもたちは相当ウザかっただろうな…と。
先日、実家に帰ったときに思ったのですが、実家の母も同じでした。「美香ちゃん、野菜から食べなさい」とか「お醤油そんなにかけちゃって!」とか…隣でずーっと言っているんですよ。
心配してくれているのはわかるけれど、親っていつまでもああやってずっと言うんだなぁって。この歳になっても、小言を言われるなんてね。
── イヤだと思うけど、自分もつい同じように子どもたちに言ってしまうわけですね。
堀井さん:
そうなんですよ。いくつになっても、親の小言って子どもは素直に聞かないんだなと思いました。やる気を根こそぎ奪ってしまいますよね。50歳になってもそう思ったので、小言の言いすぎはよくないなと気づかされました。お子さんたちに感謝の言葉は存分に伝えてあげても、あまり細かいことは言いすぎないであげてほしいです。
PROFILE 堀井美香さん
ほりい・みか/1995年にTBSに入社。現在はフリーのアナウンサーとして仕事をする傍ら、自身のプロジェクトとして朗読会を主催する。週1回のPodcast番組『Over the sun』を配信中。近著に『音読教室 現役アナウンサーが教える教科書を読んで言葉を楽しむテクニック』(カンゼン)。
取材・文/大野麻里 撮影/北原千恵美