会話が噛み合わなくて困るケースも

好きなご飯は「カレーですか?」「ラーメンですか?」と聞いているのに、見当違いな解答をしてくる人、いませんか。メールにおいても質問と返答が噛み合わないケースはときどき見られます。顔が見えないからなおのこと、相手の真意が分かりかねることが。コラムニストの尾藤克之さん、どうしたら文章でのコミュニケーションが円滑になりますか?

まずは相手の意図を確認して

質問とまったく違う回答が返ってくる場合は、「これは、こういうことでよろしいでしょうか?」と相手に聞きなおすことが大切です。「そんなことを聞いたら相手に失礼かもしれない」と思う人もいるでしょう。しかし、よくわからないまま進めてしまうほうが問題です。

 

その際「間違っているといけないので、念のため確認させてください」と、最初にひと言つけ加えておくといいでしょう。相手はあなたのことを「わからない点を確認する、しっかりした人だ」という印象を持ち、悪い気はしないでしょう。

「わかりません」ひと言で返信は禁物

会話が噛み合わない原因として、言葉がたりないケースも考えられます。

 

たとえば、上司から「企画書を送って」とメールが届いたとします。急いで企画書を作成して送りましたが、上司から返信がきたものの、企画の内容についてひと言もコメントがありません。

 

その代わり、送付した企画書の体裁が上司の意図するものと異なったので、上司は訂正を促すために「見本」となる企画書が掲載されたWebサイトのURLを送付してきたとします。

 

ただ、特に説明もなく、URLだけを送りつけられたので、部下としては意味がわからない。ともすると間違った認識(例えば参考URLの体裁ではなく、原稿内容を真似て修正をしろという解釈)をしてしまいます。

 

そんなときは、上司にも問題があるものの、単純に「わかりません」と言うとトラブルになるので、自分の解釈を添えてお伺いを立てたほうがいい。

 

しかし、そこで「どういう意味ですか?」「意味がわかりません」とストレートに書いたら、上司からキレられるかもしれません。

 

まずは、受け取ったURLに対して、上司がどういう意図があって送ってきたのかを考えます。その上で「いただいたメールの内容は、こういうことでよろしいでしょうか」と、書くといいでしょう。

 

なにも考えず「どういう意味ですか?」と書いてしまうと、相手によっては「こいつは何も考えていない」と不快に感じることがあります。

 

いったん、自分の中で考えたことを元に相手に聞きなおすことで、相手が「自分の言い方が悪かったな」と思うのです。