「大きな長男」と言われて夫はどう思うのか

夫にしてみれば「大きな長男」なんて呼ばれたら、バカにしている!と憤慨しそうなものですが、実際のところどうなのでしょうか。

 

今回は2人のパパに、「大きな長男と言われたことがあるか」「言われたらどう感じるか」を聞かせてもらいました。

 

まずはAさん(38歳・会社員・妻はパート勤務・小学1年生と4歳児のパパ)。

 

「僕のいないところでは分かりませんが、直接言われたことはないです!子供と一緒に本気で遊んでしまう時はどっちが子供か分からないと呆れられることはありますが…(笑)。

 

たぶん、大きな長男と言われてしまうのは、結婚すると緊張感がなくなって何をしても許されると思ってしまうからじゃないでしょうか?でもそれって本当の子供だけですよね。もし妻がこれはきちんとやってほしいとか、やめてほしいと言ったら、逃げずにちゃんと向き合うだけでも子供扱いされなくなると思います」

 

続いてBさん(40歳・団体職員・妻は会社員・小学6年生と3年生のパパ)はこんな本音を話してくれました。

 

「すみません、ときどき言われます…。でも、まあ妻の優しさなんでしょうけど、大きな長男と言われた時だけハイハイとおとなしく言われておけばなんとかいいようにしてくれるので。

 

正直、妻に小言を言われないように家事育児を一生懸命やるのも仕事で疲れ切ったあとだと辛いんですよね。ちょっとくらいバカにされても、妻にお願いしてしまった方が助かるんです」

Aさんのように「本気で子供と遊ぶ」という部分で少年の心を発揮してくれるのはむしろ歓迎…というママも多いのではないでしょうか。

 

しかし、正直に話してくれたのに気の毒ではありますが、Bさんの将来はかなり心配な気がしますよね。

夫が「大きな長男」化するのは誰のせい?

親としての役割をきちんと果たせる夫と、「大きな長男」と言われてしまう夫。

 

はじめは同じ赤ちゃん・子供だったはずなのに、人生のどこで違いが生まれてしまうのでしょうか。

 

原因はいくつか考えられます。

世代や親の育て方によるもの

おおむね、現在40歳以上の団塊ジュニア世代では、夫自身が子供の頃は、サラリーマンの夫と専業主婦の妻という組み合わせが全盛の時代でした。

 

父親が外で仕事をして家にお金を入れるかわりに家事労働を免除されるという仕組みが機能していた時代といえます。

 

それを見て育ってきた夫は、時代が変わり共働きが主流になった現代でも、家事育児は女性だけがするものと思い込んでいることも。

 

そもそも「自分のことが自分でできないのは子供と同じ」という感覚がないので、いくら言われてもあまり改善されない可能性があります。

妻の関わり方によるもの

妻が本気で「自分のことは自分でしてほしい」「子供のことは夫婦で協力して育てたい」と思っている場合はともかく、なかには妻側が「まったく、大きな長男なんだから」と言いつつ、その状態をキープしてしまう場合もあります。

 

レアなケースではありますが、なんらかの理由で妻の自己肯定感が低いと、「1人では何もできない夫に何でもしてあげる自分」に存在価値を求めた結果「大きな長男」に仕立ててしまうこともあります。

夫本人の気質によるもの

これは一番たちが悪いケースで、いわゆる「モラハラ(モラルハラスメント)」気質を持った男性と結婚した場合に起こります。

 

このケースが深刻なのは、結婚当初は時々「ん?」と思う程度だった言動が、妻が出産や退職で身体的・経済的に身動きがとりにくくなった頃に全開となりやすいからです。

 

夫自身の「家事育児は面倒だからしたくない」「妻の愚痴や不満は聞きたくない」「遊びたい」といった欲求を満たすため、妻をコントロールしていいなりにさせようとします。

 

他のケースでは話し合いや接し方で改善することも可能ですが、このタイプは意識的にやっているため「ほめて育てる」といった方法も通用しないのです。