「こんな方法もあったのか!」というアイディアで子どもとの向き合い方や育児の楽しさをSNSやメディア出演を通じて発信している、保育士のてぃ先生。YouTubeの登録者数は65万人を超えるなど、多くの方に支持されています。てぃ先生自身はどんな子どもだったのか、あまり知られていない幼少期のお話から保育士を目指した理由、育児に関するアイディアを生み出す上で日々心がけていることについて伺いました。

保育士は「絶対やめとけ」と言われて…

── 職業柄、多くの子どもたちと接する機会があるかと思いますが、てぃ先生はどんな子どもだったんですか。

 

てぃ先生:
親の前でも先生の前でも、超えちゃいけないラインは超えない範囲で、ずっとふざけている子どもだったと思います。もちろん、ふざけようと思ってふざけるんですけど、ここを超えるとすごく怒られるから、ここまででやめておこうと。単純に怒られるのが好きじゃなかったんです、それは今もそうですけど。怒られない範囲でしていました。

 

小学生のときは生徒会に入っていたり、運動会などでは重要なポストに自分から「はい、やりたいです!」って立候補したり。人の前に立つのが好きだったんだと思います。

 

── 人に発信をするという意味では今の仕事にも繋がっていますね。

 

てぃ先生:
そうかもしれないですね、みんなと同じことをするのが好きではなかったので、違うことがしたいと思っていました。それに、小中学校で少なくとも自分がしたいことに対して、周りも「いいじゃん」って言ってくれたのが良かったのかもしれないです。

 

そのときに「なんであいつが」と言われていたら、きっと嫌になっていたと思うんで。自然と応援してくれる友達が多かったように思います。

保育園で子どもと接するてぃ先生

── 保育士は子どもの頃からの夢だったのですか。

 

てぃ先生:
小さい頃からいつか自分が仕事をするなら専門職がいいなと思っていました。自分の両親が会社勤めのいわゆるサラリーマンで。父親は毎日同じようなスーツ着て、ネクタイを締めていくのですが、子どもながらに家を出ていくときの両親の表情が、楽しそうに見えなかったんです。

 

パイロットとかプロ野球選手とか色々考えたのですが、自分の興味関心があって昔から子どもが好きだったということもあって、保育士や幼稚園の先生になろうと思いました。

 

── 保育士になりたいと言ったとき、周りの反応はいかがでしたか。

 

てぃ先生:
親に保育士になりたいと話したら「お給料安いよ」と言われたのを覚えています。高校の先生からは「絶対やめとけ」とも言われました。「男が保育士になったら、結婚も難しいかもしれないし、家計を支えるのはできないぞ」って。

 

── それを踏まえたうえで、保育士を目指したんですね。

 

てぃ先生:
高校を卒業して、専門学校に行って資格を取るのですが、ひとクラス40〜50人ほどで、そのうち男性は4人だけでした。入学式の光景が印象的で今でも覚えています。「本当に女の人ばっかりだ」と。

 

それは学生だけではなく、先生も含めてで、もちろん女性が多いのは入学する前からわかっていたことだったんですけど、いざ目の前にするとびっくりしすぎて、「どうしよう、やっていけないかも…」とすでに入学式の時点で辞めたくなっていました。

 

それまでは普通の共学だったので、衝撃もあって。これからどう学校生活を送ったらいいのだろうと思いました。

 

僕も紹介されるときにわざわざ男性保育士と言われることが多くありますけど、男だから女だからというのは保育に関係ないと思います。

 

目の前の子どもたちに適切な保育ができて、信頼関係があり、保護者からの信頼も厚かったらなにも関係ない。男性でも女性でも、それぞれの良さをいかして保育すればいいだけです。そもそも男性保育士だからどう、という議論自体が今の時代に即していないと思っています。

 

── 保育士としてデビューした勤務先はいかがでしたか。

 

てぃ先生:
都内の施設に就職したのですが、結論から言うとブラックでした。休憩はなかったし、保育というものを楽しめる労働環境ではありませんでした。お休みはありましたけど、いろいろと大変で。でもこれは先生側の努力や意識でどうなるものでもなく、運営側の、園の仕組みの問題だと思います。