横山家の子どもがみずから生活費を申し出る訳

とはいえ、子どもに対して、どう話を切り出すかが悩みどころ。直接「生活費を入れて…」とは言いにくい親も多いでしょう。

 

横山家の場合、社会人になった子どものほうから「月3万円入れる」と言い出しました。親の側で強制はいっさいしていません。

 

これには、毎月末に行う家族マネー会議が関係していると思います。家族が全員参加する同会議では、我が家のその月の収入と支出を明らかにして、翌月の支出についても話し合います。

 

目的は、子どもに家計の状況を把握してもらうこと。金銭教育のためです。

 

毎月の収支には社会人の子どもの分も含むため、親のほうでも社会人となった子どもの給料や何に使っているかを把握できます。

 

互いに包み隠さず収支をオープンする。すると、子どもが家計の現状を踏まえて生活費を入れる行動におのずとなるのです。

 

親のほうでは生活費の適正を子どもの収支から判断すればいい。横山家ではそうやって折り合いをつけているわけです。

 

そして、一定期間生活費を入れた子どもは独立し、経済的に自立します。

 

今年4月から高校家庭科の必修科目として金銭教育がスタートしました。家計の話は金融教育の絶好の教材だと私は考えています。おおまかか家計の話からでも、家庭の中で実践してみてはいかがでしょうか。

監修/横山光昭 取材・文/百瀬康司 イラスト/村林タカノブ

出典/厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/4-21c-jyakunenkoyou-h30.html