社会人になった子どもが、親元を離れようとしない…。それをただ受け入れていたら、親のライフプランは崩壊します。経済的に自立させるにはどうしたらいいか?家計再生コンサルタントの横山光昭さんに聞きました。

子どもの同居で崩れゆく親のライフプラン

社会人になっても、親とともに実家に住み続ける子どもが増えているようです。厚生労働省の若年者雇用実態調査(2018年実施。調査は不定期で同年調査が最新)に、その傾向が表れています。

 

同調査が示す親と同居する若年就業者(15~34歳)の割合は全体で47.6%。半数近くにのぼります。

 

細かくみていくと、男性は15~19歳が87.4%、20~24歳が59.8%、女性は15~19歳が85.3%、20~24歳が70.5%と高い数値を示しています。

 

20代前半までは給料が安いケースが多く、ひとり暮らしをするには経済的に厳しい場合があるかもしれません。

 

実家住まいなら子どももお金を貯められるので、少しの間であれば仕方ないでしょう。

 

しかし、それが5年10年と続いたら悠長なことは言っていられませんよね?

 

本来、子どもの独立後は夫婦の老後資金を貯める最終ステージです。なのに、子どもが実家に居続けたら、計画は狂っていきます。

 

生活費は変わらずかかり、何か欲しいときなどは親のスネをかじられるとなれば、お金はまったく貯まりません。

 

そんな状態で老後を迎えた場合、苦しい生活を余儀なくされるのは目に見えています。

 

親への寄生を許し、可愛さから子どもにお金を投じ続けていたら、社会問題にもなっている「パラサイト破産」にもなりかねません。