「苦労じゃない」5年10年先を自分で見越して自分で考えて決めて歩む楽しさ

 

── 起業前と起業後では、事業に対する想いにどのような変化がありましたか。

 

松本さん:

先ほどのお話と重なりますが、最初はやはり「自分のモヤモヤを解消したい」という思いから、やりたいこともないのにネタを考え始めるところからのスタートでした。でも、やっていくうちにどんどん熱がこもっていきました。

 

「せっかく始めたんだから、自分のモヤモヤを解消するだけでなく、関わる人みんなに幸せになって欲しい」という想いがさらに強くなり、どんどんギアが入っていっていくという感じです。

 

また、会社員時代と比べて受け身じゃなくなりました。起業する時は周りにもたくさん止められましたし、正直起業しても最初は「会社員に戻りたい」と思う時期もありました。

 

ただ、いつからか視点が長くなっていることに気付いて。今日明日、1週間、1か月という単位で物事を見て一喜一憂しなくなったといいますか。

 

5年10年先を自分で見越して自分で考えて決めて歩んでいく。そんな世界を楽しめるようになっていました。

よもぎの生産者さんと話す松本さん

── 現在は黒字化されているとのことですが、それまでのいちばんの苦労は何でしたか?

 

松本さん:

振り返ると、最初の3年はずっと赤字でした。ただ、この3年は苦労というよりは楽しさと必死さが勝っていて、「商品をつくる」「人に出会う」など、できないことをちょっとずつできるようになっていかなきゃいけないという思いだけでやってきました。

 

苦労って難しいですよね。苦しいことはあったはずなのに、今はあまり苦労はなかったと思っているんです。通り越すと苦労じゃなくて。今思うと「楽しい」しかありません。

 

未知との遭遇の連続だから、常にいつも少しの達成感があるんです。苦労なのか、苦労じゃないのかよく分からなくて(笑)。